研究課題/領域番号 |
19K13165
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2023) 聖学院大学 (2019) |
研究代表者 |
阿久澤 弘陽 京都大学, 国際高等教育院, 講師 (30825162)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | コントロール / モダリティ / 定形節 / 時制 / 空範疇 / 文末名詞文 / 繰り上げ / 補文時制 / 語彙意味論 / 定形性 / 態度動詞 / 統語論 / 所有文 / 補文 / 意味論 / 補文構造 / 複文 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「太郎は転職することを決意した」という例に代表される「コントロール」という現象(「転職する」の目に見えない主語の解釈が必然的に「決意する」の主語である「太郎」になる)に焦点をあて、当該の現象をもたらす要因を主に語彙意味的な観点から分析し、その本質を解明する。コントロール現象は言語理論の構築に重要な役割を果たしており、日本語から見えてくる事実によって現在の理論の再検討・再構築が可能になる。
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研究成果の概要 |
本研究は、生成文法の標準的な理論では説明が困難だった、日本語の時制節(形態的な時制辞が出現する節)におけるコントロール(や繰り上げ)に対して、語彙意味論の観点から分析を試みたものである。具体的には、時制節が統語的・意味的には空であり、実質的には非時制節として振る舞うという従来の分析を退けたうえで、述語の語彙意味を精査することで、時制節であるという帰無仮説を維持したままコントロール(や繰り上げ)現象が説明可能であることを論じ、より単純化した説明体系が構築できることを示した。また、そのことにより、埋め込み節時制の分布を含む関連事実が、主節述語の語彙意味からの帰結として自然に導かれることを論じた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究が対象としたコントロール(や繰り上げ)構文は、言語形式上ゼロの要素、すなわち、目に見えない言語的要素の解釈を扱っている。コントロール(及び繰り上げ)は、人間言語の背後にある心的メカニズムを明らかにするという目標を掲げる生成文法理論において重要な被説明項の一つである。本研究では、こうした構文の成立に関与する主文述語の語彙的意味を整理・抽出したうえで形式化し、より記述的・概念的に妥当な説明を与えるとともに、当該構文への新たな理論的取り扱いの道筋を示した。
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