研究課題/領域番号 |
19K13172
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
鈴木 彩香 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (80813386)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 属性叙述 / 事象叙述 / テイル形 / テイタ形 / 複文のテンス / ル形 / 場面レベル述語 / 個体レベル述語 / 経験 / 習慣 / 第四種動詞 / トキ節 / 状態動詞 / 難易文 / 可能文 / 写像仮説 / 経験相 / テイル / 場面レベル述語/個体レベル述語 / 中立叙述 / テンス / 日本語文法 / アスペクト |
研究開始時の研究の概要 |
日本語の時間に関する表現(テンス・アスペクト)は、出来事を述べる文(事象叙述文)においては体系の整理がかなりの程度進められている一方で、恒常的な性質を述べる文(属性叙述文)における体系は、まだ十分に明らかになっていない。本研究は、テイルの形式に着目し、事象叙述と属性叙述を通して統一的にとらえられるテイル形の意味を明らかにすることによって、事象叙述文だけでなく属性叙述文も含めた包括的なテンス・アスペクトの体系を解明するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、事象叙述と属性叙述を通して統一的にとらえられるテイル形の意味を明らかにすることによって、これまで事象叙述文を中心に考えられてきたテンス・アスペクト体系の中に、属性叙述文におけるアスペクト形式の対立を位置づけることを目的としている。その際、曖昧で抽象的な議論に陥ることを避けるため、テイル形の持つ意味を理論化・形式化することを計画している。 本年度は、記述的な分析がまとまった前年度までの成果をふまえ、形式化を進めていくことを予定していたが、前年度までに明らかになった成果から、属性叙述におけるテイル形の意味を検討する前段階として、事象叙述におけるテイル形の意味を検討し直す必要が生じてきたことから、当初の計画通りには進めることができなかった。事象叙述文において問題となるのは、複文におけるテンス解釈と関係するアスペクト的意味、特に複文におけるテイタ形の位置づけである。日本語のテンス・アスペクトに関わる現象を形式意味論の枠組みを用いて分析している先行研究としてはKaufmann (2020)が挙げられるが、Kaufmann (2020)では時間節におけるテンス・アスペクト的意味の計算において、主節と従属節で異なる扱いをしている部分が多い。これに対し、時間節以外の複文との並行性を考慮する上でも、主節と従属節におけるテンス・アスペクト的意味を統一的に行うことの重要性を明らかにした。ただし、研究代表者の妊娠・出産のために研究を中断しなければならない期間があったことから、成果発表までには至らなかった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
前年度までに明らかになった成果から、事象叙述におけるテイル形の意味を検討し直す必要が生じてきたことに加え、研究代表者の妊娠・出産および育児のために研究を中断しなければならない期間があったことにより、当初の計画から遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
Kaufmann (2020)を批判的に検討することにより、事象叙述におけるテンス・アスペクト的意味を形式意味論の枠組みを用いて形式化した後、それと共通点を見出す形で属性叙述におけるテイル形の意味の形式化を行う。
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