研究課題/領域番号 |
19K13172
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 千葉大学 (2023) 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 (2019-2022) |
研究代表者 |
鈴木 彩香 千葉大学, 大学院人文科学研究院, 准教授 (80813386)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 人工知能 / 画像認識 / 属性叙述 / 事象叙述 / テイル形 / テイタ形 / 複文のテンス / ル形 / 場面レベル述語 / 個体レベル述語 / 経験 / 習慣 / 第四種動詞 / トキ節 / 状態動詞 / 難易文 / 可能文 / 写像仮説 / 経験相 / テイル / 場面レベル述語/個体レベル述語 / 中立叙述 / テンス / 日本語文法 / アスペクト |
研究開始時の研究の概要 |
日本語の時間に関する表現(テンス・アスペクト)は、出来事を述べる文(事象叙述文)においては体系の整理がかなりの程度進められている一方で、恒常的な性質を述べる文(属性叙述文)における体系は、まだ十分に明らかになっていない。本研究は、テイルの形式に着目し、事象叙述と属性叙述を通して統一的にとらえられるテイル形の意味を明らかにすることによって、事象叙述文だけでなく属性叙述文も含めた包括的なテンス・アスペクトの体系を解明するものである。
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研究実績の概要 |
本研究は、これまで事象叙述文を中心に考えられてきたテンス・アスペクト体系の中に、属性叙述文におけるアスペクト形式の対立を位置づけることを目的としている。 本年度は、当初の予定では形式意味論の枠組みを用いたテイル形の持つ意味の形式化を行う計画であったが、分野横断的な共同研究の機会に恵まれたため、予定を変更して人間が事象叙述と属性叙述の対立をどのように認識しているかという根源的な問いに関わる課題に注力した。共同研究では、上述の問いに示唆を与えるものとして、人工知能が事象叙述と属性叙述の対立を認識することができるのかという問いに、画像認識の課題を通してアプローチした。 具体的には、大規模日本語画像キャプションデータセット(STAIR Captions)のデータに対し、人手で事象叙述と属性叙述に相当する意味のアノテーションを行った後、これをもとに学習用データを用意して事象叙述/属性叙述を基準とした画像分類の機械学習実験を実施した。結果として、事象叙述の画像を判断することはそれなりの精度でできるが、ILPの画像に関してはチャンスレベルでしか判断できなかった。この結果は、ILPの判断は複数の主体の特徴を総合してとらえる必要があり、より高次の判断が求められるためと解釈することができるが、実験の手法が影響している可能性もある。研究の成果は、共同研究者のプロジェクト研究報告会で口頭発表を行ったほか、国際学会での口頭発表に応募しており来年度発表う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
当初計画していた、テイル形の持つ意味の形式化は思うように進まなかったが、予定にはなかった共同研究を行うことができ、違った側面から事象叙述と属性叙述の対立に光を当てることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
研究計画の進捗が遅れていることから、研究期間を一年延長し、現在継続中の共同研究を引き続き行っていくとともに、これまでの研究成果をまとめ、体系化を行うことを目指す。
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