研究課題/領域番号 |
19K13175
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
菅井 健太 北海道大学, 文学研究院, 准教授 (20824361)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 社会言語学 / 言語保持 / 言語取替え / 言語接触 / 言語変化 / 言語景観 / ブルガリア語 / 言語復興 / 言語状況 / ルーマニア / モルドバ / マイノリティ言語 / 言語シフト / 言語政策 / ブルガリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、ルーマニア、及びモルドバのマイノリティであるブルガリア系住民のブルガリア語方言の言語使用の実態と言語保持のしくみについて、フィールドワークの手法を用いて、社会言語学の観点から体系的に明らかにすることを目的とする。現地調査によって一次資料を収集し、それをもとに体制転換後のルーマニア・モルドバ両国におけるブルガリア系住民の現在の言語状況の記述・分析を行う。また、両国のブルガリア語方言の現状を踏まえて、マイノリティであるブルガリア系住民の言語文化の保持の問題について、言語政策や言語意識などの社会言語学的な要因に注目し、両国の状況の比較を踏まえた検討・考察を行う。
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研究成果の概要 |
本研究は、ルーマニアとモルドバに居住するブルガリア系住民の言語保持に関わる社会言語学的な研究である。同化圧力を有するマジョリティの言語や文化との接触下でブルガリア系マイノリティの人々が現状としてどの程度ブルガリア語を維持しているのか、あるいはマジョリティの言語への取換えが進行しているのかに関する今日における実態を現地調査を通じて総体的に解明した。加えて、その背景にある社会情勢、話者の言語使用や態度、アイデンティティの問題など社会言語学的な要因を踏まえ、言語接触や言語景観を通じた分析や集落間の対照研究の手法も取り入れながら、言語保持の仕組みの一端を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、体制転換による民主化を経たルーマニアとモルドバにおいてブルガリア系住民が置かれている最新の社会言語状況を捉え、それに基づいて彼らの言語保持の実態を明らかにした点に意義がある。加えて、既存の研究には欠けていたルーマニアとモルドバのブルガリア語方言の状況の対照分析という視点は、在外ブルガリア系住民の言語状況をより相対的にとらえることを可能としたばかりでなく、新たな学術的な研究の可能性をも開いた。また、本研究の成果は現地のブルガリア系住民への還元という側面を持つとともに、一事例研究として一般にマイノリティの言語や文化の保持活動に関わる人々に対しても重要な知見をもたらすものと考えられる。
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