研究課題/領域番号 |
19K13176
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
|
研究機関 | 上越教育大学 |
研究代表者 |
鯨井 綾希 上越教育大学, 大学院学校教育研究科, 講師 (10757850)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
|
配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
|
キーワード | 文章展開 / 語彙的結束性 / 共起語ネットワーク / 反復語句の連鎖 / 学習者の日本語 / 計量語彙論 / 語彙遷移 / データ科学 / 情報構造 / 接続語句 / 主要反復語句 / 部分反復語句 / 文章 / 語彙 / 計量分析 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「文章という言語単位に存在する構造が、語の集合体である語彙をどのように利用することで成立しているのか」という言語学的な関心に基づく問いに答えることを目指すものである。本研究では、日本語の文章を研究対象とし、その内容展開を、文章内で用いられる語彙が成す構造との関係の中で明らかにしていくことを目的とする。 目的の達成に向けては定量的な分析に重きを置く。国内外の計量言語学的手法の整理や再評価を行いながら有効な計量法を探り、それらを探索的に活用していくことで、研究を進めていく。
|
研究成果の概要 |
本研究では、日本語の文章における内容展開を、語の集合体である語彙の構造との関係の中で明らかにすることを目的とし、文章展開に伴う語彙の拡張プロセスを、語同士の文内共起に基づくネットワーク形成の視点から分析した。それにより、文章展開における語彙運用の仕組みを詳らかにし、そのための分析方法も示した。 1年目は、分析用の資料・視座・ツールを選定し、学校教科書の文章を用いてそれらを活用した分析の有効性を検討した。2年目は、日本語学習者の日本語と日本語母語話者の日本語との比較を通して、両者の文章における語彙の構築過程の違いを明らかにした。3年目はこれまでの研究を踏まえ、現時点の成果を公開することに注力した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、具体的な言語現象のまとまりである文章と、それを作り上げる素材となる語彙との関係性を明らかにするものである。本研究の分析の中核となる語彙の共起ネットワークという視点に基づく言語研究は、従来いずれも静的な文章構造の分析に重点があり、文章展開へ発展するものではなかった。それに対し本研究では文章内の語彙拡張という観点に軸足を置き、共起語ネットワークを新たに文章展開という動的側面に適用した点に研究上の意義がある。また、本研究を通して、文章研究に適用可能な新たな分析手法を提起できた点にも意義を認めることができる。さらに、それらの成果を利用して学校教育への応用も検討し、本研究の社会的意義も示した。
|