研究課題/領域番号 |
19K13188
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 立命館大学 (2020-2023) 京都ノートルダム女子大学 (2019) |
研究代表者 |
杉村 美奈 立命館大学, 文学部, 准教授 (20707286)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 格 / 複雑述語形成 / 再構築化現象 / 動詞複合 / 主要部移動 / 再構造化現象 / 作用域 / 焦点化 / 格の省略 / 省略 / 複雑述語 / スコープ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「が」格や「を」格等の格助詞が名詞句に現れる場合と現れない場合とで、どの様に意味解釈に影響を及ぼすのか、また、その要因を明らかにすることを目的としている。また、格の文法的働きを明示することによって、格の付与に密接に関連する「食べ+ない」等、2つ以上の述語から成る複雑述語形成の仕組みを捉え直すことも同時に研究課題としている。格と意味との関連性を明らかにすることを通してことばの仕組みを探る。
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研究実績の概要 |
本研究は、生成文法の枠組みにおいて格省略がもたらす意味解釈への影響の考察を通し、格助詞の有無が複雑述語と目的語との間の作用域関係に及ぼす影響を明らかにし、同時に格付与に関与する複雑述語形成メカニズムを捉え直すことを目的としている。 研究期間全体において、2019年度には、格省略によって生じる目的語と複雑述語との間の作用域関係の記述研究及び理論構築を行った。 その結果、格が省略された名詞句の認可には主要部移動を伴う複雑述語形成が必要であること(cf.Sugimura 2012)、否定辞を含む複雑述語はそのような主要部移動が不可能となることから、作用域の違いに結びつくという結論に至った。 一方、移動動詞を伴う複雑述語形成にも注目し、2020-2022年度にかけて、宮本陽一氏(大阪大学)との共同研究において、「が」格目的語の認可に関わる複雑述語形成について取り組み、可能接辞「られ」とFocus主要部を含む複雑述語形成が「が」格認可に関わっていることを提案した。また、小畑美貴氏(法政大学)との共同研究にて、英語と日本語の動詞複合形を比較し、屈折接辞と複雑述語形成との関係について、ラベル付与の観点から分析した。 2023年度は、上記の共同研究のうち、小畑氏との研究成果をまとめた論文が国際ジャーナル(Studies in Generative Grammar 33)に掲載された。また、宮本氏との研究も国際ジャーナルに投稿した。さらに、2023年度は口語体のVNスル構文における格省略をKP仮説(Travis & Lamontagne 1992; Fukuda 1993)をもとに、Kの格省略と口語体の解釈が関連している可能性を指摘し、その研究成果の発表を日本言語学会第167回大会・ポスター発表にて行った。
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