研究課題/領域番号 |
19K13189
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大阪大学 (2023) 立命館大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
瀬戸 義隆 大阪大学, マルチリンガル教育センター, 特任助教(常勤) (00826159)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | バ条件文 / タラ条件文 / 認知言語学 / コーパス言語学 / 日本語条件文 / バ・タラ / 通時的変化 / 現代日本語条件文 / コーパス / 条件文 / 仮定形 (已然形) / 未然形 / 条件表現 / 構文 / 構文的制約 |
研究開始時の研究の概要 |
現代日本語では「彼に会えば電話して下さい」のように, 条件標識として接続助詞の「バ」が用いられ, その主節の述語が命令形で表される場合, その従属節述語として動作を表す述語は用いることが出来ない. このようなバ条件文の性質はよく知られているが, なぜ, そのような従属節述語の制約が存在するかという点についての考察は数少ない. 歴史的にはこのような用例が存在しているため, 冒頭で述べたような現代日本語の条件表現における制約は通時的に生じたものであると考えられる. 本研究ではこのような制約が生じた過程を通時的に考察する.
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研究成果の概要 |
本研究は、現代日本語におけるバ命令条件構文の使用制約が存在する要因について共時的および通時的な観点から考察した。その結果、意味的に類似したタラ命令条件構文とバ命令条件構文が従属節で提示される非状態的な条件を提示するにあたっての曖昧性を回避するためには、元来、完了的な意味を表す助動詞のタリを含むタラ命令条件構文が好まれ、その結果、状態的な条件を提示する場合にはバ命令条件構文、非状態的な条件はタラ命令条件構文で表す機能的な棲み分けが生じたことを提案した。その結果として、「彼に会えば電話して下さい」のように非状態条件を示すバ命令条件構文は現代日本語において容認性が低くなることを本研究のまとめとした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、現代日本語における主要な命令条件構文であるバ命令条件構文として用いられる語彙と、主節で依頼を示すために命令形で示される特徴的な語彙とそれらの意味を具体的に記述するとともに、そのような従属節で示される語彙・意味的な分布は、他の関連する条件構文と、それらの構文スキーマの変遷によって通時的に形成されたという観点から提案しており、言語の振る舞いが歴史的な言語の変化によって形成されることを具体的に示した点において学術的意味が見られる。また、現代日本語のバ命令条件構文とタラ命令条件構文における特徴的な語彙が記述されたため、その結果を両構文の使い分けに関する教育に応用する可能性も考えられる。
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