研究課題/領域番号 |
19K13191
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 九州大学 (2020-2021) 関西学院大学 (2019) |
研究代表者 |
朱 冰 九州大学, 言語文化研究院, 助教 (30827209)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | モダリティ / ポストモーダル / 接続詞 / 談話標識 / 中国語 / 文法化 / 主観化 / 間主観化 / 構文化 / 言語類型論 |
研究開始時の研究の概要 |
モダリティの文法化に関する従来の研究では、典型的なモーダル的意味(例:日本語の「かもしれない」が表す認識的可能性の意味)をめぐる諸変化の方向性やそれが物語る言語間の普遍性と多様性といった重要な問題が追究されてきた。しかし、典型的なモーダル的意味から逸脱したほかの文法機能(例:譲歩・条件などの節連結機能)、いわゆるポストモーダル機能への拡張については体系的な分析が遅れている。本研究は、中国語のモダリティにおける接続詞・談話標識への転成に焦点をあて、モダリティにおける典型的なモーダル領域から複文(節連結)・談話の領域への機能拡張を動機づける要因を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、これまでのモダリティの文法化に関する言語類型論の研究では十分に重要視されてこなかったモダリティ表現における更なる発達に焦点を当て、接続詞と談話標識への拡張変化に研究対象を絞り、中国語のデータに基づいて考察を行った。複数のケーススタディに基づき、言語類型論と構文文法の観点から、中国語のモダリティ表現における接続詞・談話標識への転成の諸相及び拡張の動機づけを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
モダリティとほかの文法カテゴリーの架け橋となる本研究は、これまでのモダリティの文法化研究に対する強力な補足であり、さらなる発展でもある。本研究によって、モーダル機能とほかの文法機能との連続性および共通基盤を解明し、モダリティの多機能性に対する認識をいっそう深めるのみならず、その背景にある人間の認知能力の発達の解明やモダリティの習得研究・教育に対しても重要な示唆を与えることができる。また、本研究は、印欧語中心であったモダリティの研究に積極的に中国語のデータを取り入れ、言語類型論研究におけるアジア言語からの重要性を示すものでもあると考える。
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