研究課題/領域番号 |
19K13196
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02060:言語学関連
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研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
川端 良子 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 音声言語研究領域, プロジェクト非常勤研究員 (50705043)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 参照表現 / コーパス / 会話 / 共同的行為 / 参照 / 相互行為 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では複数の対話コーパスを用いて参照の言語的・非言語的活動にアノテーションを施し、そのデータを用いて次の課題に取り組む。 ・課題1: 多様な状況下における参照の言語的・非言語的特徴の解明 ・課題2: 参照の方法選択に関わる要因の解明 ・課題3: 参照に関わる行為のモデル化の試み これらの課題の達成を通じて、多様な状況下における参照活動の実態解明、および参照方略決定の要因を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究は、主に『日本語地図課題対話コーパス』を用いて、対象が最初に会話に導入される際の言語表現を定量的に分析し、参照表現の使用傾向とその要因について検討を行った。その成果として次の3つの結果を得た。それは、(1) 参照を特徴付けるアノテーション方法の開発、(2) 参照時の引用形式の使用に関する従来理論の精緻化、(3) 参照を含む発話中に、聞き手によって行なわれる相槌の出現傾向とその機能の説明、である。これらの成果は、参照による相互理解達成のための多様な方略の使用実態の一部を明らかにしたものといえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
従来研究では、複数の参照方略が存在することが明らかにされてきた。ただし、それぞれの方略がどのような状況において用いられるのかという問題については議論されてこなかった。たとえば、参照を成功させる確実な方法は、相手に対して対象に関する知識を尋ねることであるが、この方法は、会話の進行性を損ねたり、相手に対して失礼にあたる可能性がある。そのため、会話の参加者は状況に応じて適切な参照方略を選択する必要がある。本研究は、コーパスを用いて、参照における言語活動の多様性を明らかにした。この成果は、人の言語活動の実態解明という学術的課題の進展に貢献するものである。
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