研究課題/領域番号 |
19K13199
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 東京外国語大学 |
研究代表者 |
幸松 英恵 東京外国語大学, 大学院国際日本学研究院, 准教授 (10711525)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | ノダ文 / ノダの通時的研究 / 事情説明のノダ / 推論のノダ / 事情を表さないノダ / 近世江戸語のノダ / ノダ / 発見のノダ / 命令のノダ / 近世江戸語研究 / ノダ系推論表現 / 事情推論 / ノダ系推論形式 / ノカ / 発見の文 / 情報受容の文 / 言語変化 / 近世後期江戸語のノダ / ノダの通時的用法変遷 / 現代日本語文法 / モダリティ / のだ / 推論 |
研究開始時の研究の概要 |
「雨が降るだろう」と「雨が降るのだろう」はどう違うのでしょうか。「雨が降るかもしれない」と「雨が降るのかもしれない」は何が違うのでしょうか。それは文法的にどのように説明できるのでしょうか。日本語では「ノダ文」と言われる、文末に「の(ん)だ」や「の(ん)です」が現れる文が多く使われます。それだけではなく、「のだろう」「のかもしれない」「のではないか」「のに違いない」「のかな」など、「の」が現れる推論表現も多用されます。これらの形式の発生や用法の変化を研究し明らかにしたいと思っています。
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研究成果の概要 |
現代日本語の(いわゆる)「ノダ文」については、典型的な用法であると言える「事情説明」のほか「解釈(推論)」や「発見」や「命令」など多様な用法が指摘されていた。その理由については、名詞文の持つ機能を中核にした説明や、語用論的な解釈からの説明などがあり、現時点での定見がない状態であったと言える。本研究で通時的な用法変遷について調査した結果、事情説明以外の用法は、ノダではない「ノ+コピュラ的終助詞」で表されていたり、ノダに後置される終助詞の機能によりかかった用法であった可能性があることが提示され、ノダの多様な用法が併存している背景についてある程度明らかにできたのではないかと考えられる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ノダ文は現代日本語における重要文型の一つであるだけに、多くの先行研究が存在する。その一方で、ノダが発生した近世期からの通時的研究は従来あまり行われてこなかったと言える。本研究では現代共時態における多義のあり方を解明するという視点から通時的調査を行った結果、これまで指摘されてこなかったノダ文の用法変遷と多義の背景についてある程度明らかにすることができたと考える。最終年度に行った学会シンポジウム(「ノダ文研究の現在地―ノダの時空間変異から見た研究の展開―」)の議論により、この考え方がノを含む他の文型の研究や方言研究にも応用可能である可能性を提示することができた。
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