研究課題/領域番号 |
19K13202
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
安本 真弓 山口大学, 人文学部, 准教授 (20636287)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 日本語史 / 形容詞 / 構文 / 日本語文法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、奈良時代から室町時代における、時代ごとの日本語形容詞の構文的機能の実態を明らかにすることが目的である。これにより、(1)従来ほとんど分かっていない古代語形容詞の構文的機能の実態、(2)時代ごとの形容詞の構文的機能の共通点と相違点、(3)歴史的な変化が見られた場合は、各時代の形容詞の特質、(4)形容詞の構文的機能と意味との関係などを明らかにする。最終的には、日本語形容詞の構文的機能について、奈良時代から室町時代までの各時代の特質とその史的変遷、そこから窺える構文的機能が異なる要因を明らかにする。
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研究実績の概要 |
日本語形容詞には、従来「述語となる」「連体修飾語となる」「連用修飾語となる」の三つの構文的機能が備わっていると指摘されている。そして、あらゆる形容詞が基本的にはこの三つの用法すべてを持つことが可能であり、この三用法を担うことが英語などとは異なる日本語形容詞の特徴であるとされている。 しかしその一方で、先行研究の状況から、現代日本語を中心に、すべての形容詞が実際にこの三用法を備えているのかという点については疑問が残る。特に現代語以外では、日本語形容詞の構文的機能の時代ごとの実態や各時代による差異が見られるのか否かという点について、ほとんど明らかになっていない。そのため、日本語形容詞の構文的機能のあり様とその史的変遷について、今後明らかにする必要があるのではないだろうか。 そこで本研究では、奈良時代から室町時代における、時代ごとの日本語形容詞の構文的機能の実態を明らかにすることを目的とする。これにより、(1)従来ほとんど分かっていない古代語形容詞の構文的機能の実態、(2)時代ごとの形容詞の構文的機能の共通点と相違点、(3)古代語と現代語を比較し、歴史的な変化が見られる場合は各時代の形容詞の特質、(4)形容詞の構文的機能と意味との関係などを明らかにする。最終的には、日本語形容詞の構文的機能について、奈良時代から室町時代までの各時代の特質とその史的変遷、そこからうかがえる構文的機能が異なる要因を明らかにする。 当該年度は四年目であり、前年度に引き続き、各時代の形容詞の収集とその構文的機能の分類を行った。また、各時代の構文的機能の特質を明らかにするための重要な観点であると思われる形容詞の意味分類との関わりについて検討した。これによって、日本語形容詞の構文と意味に関する史的変遷を見ることが目的である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
各時代の形容詞の収集とその構文的機能の分類に関して、予想以上に用例数が多くあり、その整理に当初の想定よりも時間がかかっている。 また、本研究は日本語歴史コーパスを使用して形容詞の用例を収集しているが、研究開始当初よりも日本語歴史コーパスで検索できる作品が増えており、その増えた作品に関しても収集、分類を行っているため、時間がかかっている。 以上のことを踏まえると、やや遅れているといえる。
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今後の研究の推進方策 |
前年度までに続き、今年度も奈良時代から室町時代までの形容詞の用例を大量に集め、時代ごとに各語の三用法の有無を検討する。このことによって、どの程度の形容詞が三用法を持っているのか、また三用法を持っていない形容詞が存在する場合どの用法を持っていないのかを時代別に明らかにする。 また、構文的機能と意味との関わりについても実証する。特に、形容詞の意味について、どのように考え、どのような方法で分類するのかということを検討し、その区分についても考察を深めていきたいと考えている。
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