研究課題/領域番号 |
19K13206
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 北海学園大学 (2020-2023) 大阪経済法科大学 (2019) |
研究代表者 |
丸島 歩 北海学園大学, 人文学部, 准教授 (20782676)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 演技音声 / 社会言語学 / ジェンダー / 実験音声学 / 母音フォルマント / 文末イントネーション / 音声の性格印象 / ピッチ / 社会音声学 / メディアの音声 |
研究開始時の研究の概要 |
ことばが持つジェンダーのステレオタイプについては、メディア作品における言語表現がことばのジェンダーのステレオタイプを強化しているという指摘が、社会言語学の分野からなされている。 しかしこれらの研究は、文字上での表現や音声を文字化したものを分析対象としていた。文字情報では表せないプロソディ(イントネーションやリズムなど)の情報は、音声言語の印象を決定づける重要な要素であるにもかかわらず、ほとんど扱われて来なかった。 本研究では、メディア作品の音声において役柄のジェンダーがどのように表現されているのかを、実験音声学的な手法で明らかにしたいと考えている。
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研究成果の概要 |
本研究を通して、メディア演技音声においては、ジェンダー表現を実現するための様々な音声的手段が用いられていることが明らかになった。 まず、同一声優の女性役と男性役の音声を比較すると、女性役は自然発話の女性より高く、男性役では自然発話の女性に近かった。ただし男性役ではささやき声が効果的に用いられていた。また、女性役では男性役より母音の第2・3フォルマントが高い傾向があった。さらに文末イントネーションでも、女性役は疑問文以外でも上昇調が多用され、男性役では役柄の人物像に応じた使い分けがなされていた。 以上のように、様々な音声的手段を巧みに操ることで、高度な演技によるジェンダー表現が体現されていた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、日本語のことばのジェンダーのイメージに関する研究は主に文字資料や文字化された資料を用いて行われており、どのような音声的特徴が女性的、あるいは男性的であるとされているかについてはあまり明らかにされてこなかった。本研究は、男性役と女性役を演じた同一の女性声優の音声を分析対象とすることで、どのように役柄の性差を体現しているかを明らかにした点で、社会言語学やジェンダー言語学の領域における学術的な意義があると考える。
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