研究課題/領域番号 |
19K13208
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 四国大学 |
研究代表者 |
峪口 有香子 四国大学, 地域教育・連携センター, 講師 (10803629)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 方言分布 / 経年変化 / 追跡調査 / 空間分析 / GIS / データベース / GIS / 言語地理学 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、瀬戸内海域をフィールドとした方言研究の先駆的な業績である藤原与一・広島方言研究所編(1974)『瀬戸内海言語図巻』のデータベース構築を目指し、総計241のデジタル言語地図を完成させる。また、実時間上の言語変容を解明するため、申請者が実施した瀬戸内海域での追跡調査結果のデジタル言語地図化を併せて行う。大量の方言データを包括的に分析できるツールとして、地理情報システムの分野で開発されたGISを導入し、空間的補間の方法を時空間にまで拡張することによって言語変化の状況を探る。方言の衰退の実態や共通語化の進行状況を把握するとともに、瀬戸内海域言語伝播のパターンを解明する。
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研究実績の概要 |
【本研究の目的】 本研究では、瀬戸内海域をフィールドとした方言研究の先駆的な業績である藤原与一・広島方言研究所編(1974)『瀬戸内海言語図巻』を対象としたデータベースの構築、実時間上の言語変容を解明するため、申請者が実施した瀬戸内海域での追跡調査結果のデジタル言語地図化を行う。計量地理学や地理情報システムの分野で開発された、空間的補間の方法を時空間にまで拡張し、言語変化の状況を探る。方言の衰退の実態や共通語化の進行状況を把握するとともに、瀬戸内海域言語伝播のパターンを解明することを目的とする。 【2022年度の主な研究成果】 2022年度の実施内容は大きく分けて、1)『瀬戸内海言語図巻』のデータベース構築と2)GISに基づいた言語変化の空間分析を進めることの2点を行った。『瀬戸内海言語図巻』上巻(音声項目18、文法項目102)は、電算化が済み、引き続き『瀬戸内海言語図巻』下巻(語彙項目121)の電算化を進め、GISファイル化を行った。さらに、言語変化の時空間分析をGISに基づいて分析を進めた。方言データは本質的にデータ規模の大きな多変量データである。このため分析の過程では、属性や地理的条件を変えた比較を繰り返す必要がある。継続してデータ整備に取組むことで、過去・現在のデータをデータベース化し、地図上のポイントデータとして表示させ、様々な属性・カテゴリー別に表示・分析を行い、今後起こりうる分布形成のシミュレーションについて分析を行った。また、追跡調査で集めたデータ整理を行い、データベース構築に向けての整備も同時に行った。検証結果は、四国大学・地域科学研究会で発表するとともに、言語変化による方言衰退の実態解明と共通語化の進捗状況を明らかにするため論文執筆を行った。今後は、『瀬戸内海言語図巻』と追跡調査結果から、方言の発生・伝播・定着過程解明の理論構築および地域言語研究の実践へと発展させていきたい。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
追跡調査として収集したデータの少ない地域には、現地に赴き面接調査を行いたいが、コロナ禍の影響でフィールドワークにいけなかったことと、研究代表者が年度途中から産休・育休を取得しているため、やや遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
フィールドワークにいけるようになれば、面接調査を行い、引き続き、言語地図のデータベース化を進めていく。分析にあたっては、分布データを正確に扱うことのできるGISを活用し、利用のための情報交換を活性化させていく。
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