研究課題/領域番号 |
19K13210
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
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研究機関 | 関西学院大学 (2020-2021) 米子工業高等専門学校 (2019) |
研究代表者 |
辻本 桜介 関西学院大学, 文学部, 助教 (90780990)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 引用句 / 引用構文 / 古代語 / 複合辞 / 補文 / 「名づく」 / 「見る」 / 「といふ」 / 間接疑問文 / 「あり」 / 補助動詞 / 対象格 / 係助詞 / 状態性述語 / 中古語 / といふ / 視覚動詞 / 視認内容 / 間接疑問 / 「言って」 / 「思って」 / 述部の伏在 / 述部の省略 / 訓点資料 / コーパス / 引用節 / 「と」 / 「とて」 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、「…と言ふ」などの形で使われる引用節「…と」が、現代語と異なる様々な面を持つことを明らかにするものである。主な和文資料に加え、私家集・訓点資料からも用例を大量に抽出し、主に次の2点を実施する。(1)「ほととぎすの、あまたさへあるにや【と】、鳴きひびかすは、(枕草子)」では、引用された語句の発言者と述語の主体が一致しないが、こうした現代語に見られない構造を4種類取り上げて分析する。(2)形容詞などの状態性用言を述語とする構文の構造を分析する。どちらも、現代語での類義表現との比較を主な手法とする。
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研究成果の概要 |
本研究課題では、古代日本語における引用句「…と」が現代語と比較してどのように異なった振る舞いをするかを可能な限り記述した。具体的には、補助活用の「あり」と結びついて“発言しているような様子”を表せること、引用句の言葉を発する主体と後続節の主体とが異なる構造を臨時的に作れること、種々の係助詞と結びついて終助詞的用法を発達させていることなどが明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
引用句「…と」と述語からなる構造(引用構文)についての文法論的な研究は、藤田保幸『国語引用構文』(2000年、和泉書院)という大著が出て以来、大きな進展は見込めないとみなされてきたようである。しかし本研究課題の成果によって、古代語における「…と」が現代語とかなり異なった性質を持つことが証明された。今後、中世以降の通時的な研究の展開が俟たれる状況を作り出したことになる。
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