研究課題/領域番号 |
19K13211
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02070:日本語学関連
|
研究機関 | 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所 |
研究代表者 |
片山 久留美 大学共同利用機関法人人間文化研究機構国立国語研究所, 研究系, プロジェクト非常勤研究員 (10803778)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | コーパス / 表記 / 近世語 / ルビ / 日本語史 / 読本 |
研究開始時の研究の概要 |
江戸時代後期に流行した小説の一種である読本には、本行の漢字表記「准備」に対してルビ「こころかまへ」や「ようゐ」が対応するなど、ルビと本行の漢字表記の対応に多様なバリエーションがある。本研究では、ルビ(=書かれている語)の側の性質に焦点を当て、語種や品詞によって表記にどのような特徴があるかを計量的に調査し、読本というジャンルの持つ表記特性を明らかにする。作者・刊行時期の異なる複数の作品について、品詞や表記などの形態論情報を付与したコーパスを作成し、広く今後の読本研究・表記研究に資するものとすることを目指す。
|
研究実績の概要 |
本研究は、江戸時代後期に流行した読本について、漢字表記とそれに対応するルビとの関係に着目して漢字かな交じりテキストとしての読本の表記の特質を捉えようとするものである。日本語史研究上重要な読本作品について形態論情報付きのコーパスを構築し、その形態論情報を用いて品詞・語種などの観点から漢字・仮名の使い分けや漢字に対するルビの付与状況などを精査する。2022年度は、研究計画に基づき以下の各項目について作業を進めた。 ①前年度までに完了しなかった作品のテキスト入力・XML化 ②ルビ(特に左ルビ)についてのXML仕様の検討 ③テキストデータを用いた形態素解析および形態論情報修正 ④上記作業中に生じた問題点について学会発表および論文執筆 ①~③については前年度から継続し、データの拡充・精緻化をはかるため作業を進めた。特に、漢字の左側に付されるルビ(左ルビ)の取り扱いについて『日本語歴史コーパス』江戸時代編のデータを参考に検討を行った。④については、国立国語研究所内のシンポジウムにおいて、個人でコーパスデータを構築する際のモデルケースの一つとして構築の進捗・課題について報告した。また、構築作業中に得た問題意識に基づき、読本における漢数字とルビの対応についての論文を執筆した。これは本研究の主眼の一つである本行の漢字とルビとの対応関係を捉えることを目指したもので、漢数字においては他の漢字とは異なるルビの用い方をしていることを明らかにした。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
テキスト入力・XML整備等の作業について自ら検討しながら進めたこと、また上記論文執筆に必要なデータの収集を優先したため、全体としてコーパス構築作業はやや遅れている。コーパス公開・論文執筆に必要なデータについて再検討を行い、次年度の作業をスムーズに行えるよう工夫した。
|
今後の研究の推進方策 |
コーパス化するデータの量を調整し、作業者を確保することで進行の遅れているコーパスデータ構築を進める。また、コーパス公開に向け、国立国語研究所のプロジェクトで推進している個人によるコーパスデータの構築・公開に関する研究会等に積極的に参加し、適切な公開形式等について検討する。
|