研究課題/領域番号 |
19K13242
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
趙 海城 明星大学, 人文学部, 教授 (90595084)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 中国人学習者 / 作文コーパス / 副詞・動詞・条件文 / 過剰使用語 / 過少使用語 / 特徴語 / 誤用要因分析 / 対照研究 / 副詞・複合助詞・補助動詞 / 習熟度別 / 副詞 / 特徴語使用要因分析 / 産出語彙 / 補助動詞 / 母語転移 / 習得実態 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「対照研究、誤用観察、検証調査」という三位一体の研究モデルを研究基盤とし、中国人日本語専攻学生を対象に収集した大規模な習熟度別作文コーパスを構築し、その上でインプット量の影響、対照研究、誤用観察を踏まえて母語転移の可能性・選択性を探り、誤用の規則性、過剰・過少使用、回避傾向を分析することにより、中国人学習者の日本語習得プロセス、誤用の実態及びその要因、普遍的に抱える学習困難点を実証的に解明する。
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研究実績の概要 |
本研究は、中国人日本語専攻学生を対象に習熟度別作文コーパスの収集とコーパス構築を行うとともに、中国人学習者の日本語習得プロセス、誤用の実態及びその要因、普遍的に抱える学習困難点の解明を実証的に行うものである。本年度は作文データの収集準備作業と、学習者の産出語彙を分析した。 1.日本語母語話者の作文データ収集、学習者の習熟度別作文データの収集準備作業を行った。(1) 日本語母語話者の作文データを一部収集した。(2) オンラインで中国人大学生の作文収集作業を依頼し、収集を進めている。
2.学習者の産出語彙分析、日中対照分析 コロナの影響で学習者の日本語作文データを収集できなかったが、中国人学習者の日本語産出の特徴を探るため、以下の研究を行った。(1) 「JCK作文コーパス」「YNU書き言葉コーパス」を対象に、特徴度指標を用いて、日本語母語話者と比較し、中国人日本語学習者の過剰使用副詞・過少使用副詞、特徴語について分析して、『東アジア言語文化研究(第5号)』に投稿した。(2) 『YUKANG日本語コーパス』を利用して抽出した中国人日本語学習者による「ある」と「する」、「ある」と「表す」の誤用例を手掛かりに、「ある」と「する」、「ある」と「表す」の意味特徴を分析し、《日語動詞的偏誤研究 上》に投稿した。(3)「多言語母語の日本語学習者横断コーパス」と「小中高大生による日本語絵描写ストーリーライティングコーパス」を利用して、中級レベル中国人日本語学習者と母語話者の絵描写作文の産出言語をマクロ的に検討し、2022年度東アジア言語文化学会 中国分会で研究発表を行った。(4)共著で『条件文の日中対照計量的研究-KH CoderとSPSSを利用した可視化分析』(ひつじ書房)を出版した。(5)「ニシテモ」構文4分類と10種類の中国語訳の対応関係の関連度を分析し、所属先の大学紀要に投稿した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
本年度も新型コロナウイルスの影響で、中国の大学はオンライン授業となったり、学期末を早めたりしたため、大人数の学生への呼びかけ、注意事項説明などができなくなり、作文データ収集は予定通りに進めることができなかった。
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今後の研究の推進方策 |
現地協力者と打ち合わせを行ったうえで、作文データを収集している。今後はオンラインで速やかに作文データを収集、分析していきたい。 今後の研究の推進方策として、2023年度は主に以下のことを予定している。 (1)高年次の日本人学生80名(20名×4テーマ)より作文データを収集する。 (2)調査協力者の協力を得て、中国の大学で1~4年生の日本語作文データ収集を行う。 (3)収集した作文データの分析を行い、学会発表及び論文投稿を行い、研究成果報告書を作成する。
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