研究課題/領域番号 |
19K13251
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02090:日本語教育関連
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研究機関 | 愛知大学 (2020-2022) 広島修道大学 (2019) |
研究代表者 |
川上 ゆか 愛知大学, 国際コミュニケーション学部, 准教授 (00778805)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 共通言語としての日本語 / 相互理解 / 接触場面 / マルチモーダル分析 / 複接触場面 / 関係構築 / 個の学び |
研究開始時の研究の概要 |
国際共修や接触場面に係る研究や実践はこれまで、その対象者を日本人学生対留学生という二項対立で捉えてきた。研究代表者が担当する共通言語としての日本語を使った国際共修や留学生クラスでは文化や言語背景の異なる一人一人が異文化で、個やグループとしての学びの場となっている。 本研究は共通言語としての日本語を使用した「複」接触(内的/接触/第三者言語場面が共存)場面を言語・非言語両面からマルチモーダルに分析し、ことばや文化を超えた参与者間の関係構築プロセスとその変化を可視化する。また、意識変容に係る研究手法と連携し相互行為の包括的な解明を目指し、実践で利用可能な教材開発や学習環境デザイン構築の検討をする。
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研究成果の概要 |
共通言語としての日本語を使った日本人学生と外国人留学生が行う多人数会話の録画データと事後インタビューの分析から、一人の留学生と他の成員の関係性が変化した最初のきっかけが、からかいとそれに対する抵抗のやりとりであることがわかった。 また、コロナ禍での多文化協働活動のふりかえりコメントや事前事後インタビューなどをもとに、授業形態が移行する中での個やグループの学びについて分析し、協働の場が密に交流できる拠り所となっていたこと、そしてそこでの活動上の困難点を相互に補完し、成長の場となっていることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
多様な背景の者同士で行う協働活動においては、成員ひとりひとりが異文化で、そこは個やグループとしての学びや成長の場となっている。これまでの協働活動の実践においては、学生同士の対立をなるべく避けるよう学習デザインをしていたが、データの分析から、対立や衝突を厭わず、互いの異なりを尊重し合い、説明し合える環境づくりの工夫が重要であるという示差を得た。社会的変化が次々起こるVUCA時代に、多様な他者と共生するうえで必要なスキルの涵養に本研究成果の一端が実践に応用可能となりうる。
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