研究課題/領域番号 |
19K13268
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分02100:外国語教育関連
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研究機関 | 上武大学 |
研究代表者 |
佐竹 幸信 上武大学, ビジネス情報学部, 講師 (20815807)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 第二言語習得 / 機械翻訳 / 英語ライティング / 中間言語 / インプット / アウトプット / 長期記憶 / ライティング / 英語学習法・指導法 / 日本の英語教育 / 英語ライティング学習 / 認知プロセス / ビジネスライティング / 翻訳 / 英語ライティング指導 / 学習認知プロセス / モチベーション / 学習時の認知プロセス / long-term memory |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、日本の英語教育における機械翻訳の利用可能性、またその限界を探るものである。昨今の機械翻訳は、2010年代の人工知能の導入以降、飛躍的な質的向上を遂げ、同時に英語を学ぶ必要性が徐々に問われるようになってきている。つまり英語は、「学ぶ」ものから、機械翻訳を利用して「使う」ものへとその存在の様態を大きく変えつつある。この状況は今後、日本の英語教育にも大きな影響を及ぼすことが予想される。例えば英語そのものより、機械翻訳の効率的な使用法の教授に教育の焦点が移動していくことになるかもしれない。以上の現状を踏まえ、本研究は機械翻訳を利用した英語教授法の模索、及びその弊害を検証するものである。
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研究成果の概要 |
従来の教師によるフィードバック型スタイル(書いたライティングについて教師からフィードバックをもらい、それを次のライティングに生かしていく)と、機械翻訳を利用したスタイル(日本文とそれを英訳した機械翻訳を見比べ、機械翻訳中の英語表現等を学習し、次のライティングに生かしていく)で、それぞれ日本人大学生が英語ライティングを学習した際の彼らのライティング・パフォーマンスを比較すると、総じて前者の方が評価は高かったが、文体や語彙等に関しては後者の方が高いという結果が得られた。彼らのインタビュー内容を分析すると、機械翻訳中の文体や語彙が彼らにとっては新鮮で、それが長期記憶につながったものと推測された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本の伝統的な英語教育は機械翻訳の使用を一方的に禁止してきた観がある。これは機械翻訳の性能がさほど高くなかった時代においては妥当な判断だと言えるかもしれない。しかし昨今の機械翻訳は、ChatGPTの例を見ても分かるように、日本人学習者が思いも及ばないような「自然な」英文を産出することが可能となっている。これは、機械翻訳が膨大な英語使用のビッグデータに基づいている一方、日本人の英語学習はまずは文法ありきで、大量の用法のインプットが欠落していることに起因すると考えられる。今回の調査結果は、日本人の英語ライティング学習にとって、機械翻訳は一つのロールモデルになり得る可能性を示唆したと言えるだろう。
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