研究課題/領域番号 |
19K13323
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
武藤 三代平 北海道大学, 文学研究院, 専門研究員 (50804621)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
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キーワード | 榎本武揚 / 海外移民・植民 / 自由党 / 殖民協会 / 青年・壮士 / 国是策 / 超党派 / 榎本メキシコ植民 / 移民・植民事業 / 壮士 / 星亨 / コーヒー / メキシコ榎本植民 / 板垣退助 / 熊本国権党 / 南洋貿易 / 開拓使 / 植民政策 / 青年・壮士・院外団 / 労資関係 / 海外植民 / 植民思想 / 国是論 / 移民 / 政党 (超党派) / 明治青年・壮士 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は明治中後期を対象とし、榎本武揚および政党(主に自由党・立憲改進党・国民協会)の植民政策・植民思想を政治史の視点から検討する。そのうえで、海外植民が促された政治的要因とその政治構造を明らかにすることを目的とする。一貫して海外植民論を主唱した榎本武揚と、初期議会期において藩閥と対峙しつつも政権担当者への道程を模索しつつあった政党とを検討の両輪とし、殖民協会の設立によって、両者が協同体制を成立させる過程を研究の主軸とする。このことは、明治日本の対外的な膨張路線の確立と帝国化への政治的要因を解明することに結びつくものである。
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研究成果の概要 |
明治前中期に日本人移民が海外へ送出される政治史的要因を攻究した。 初期議会期の自由党が積極主義を掲げ、海外移植民事業を国是策の一環に位置づけた点を明示し、党派間対立を不要とする立場を鮮明にしたことが「出移民」を促す一因であった。政権を担い得る政党として、適宜「超党派」としての活動を視野に入れ、国権拡張を基層とし、国是として海外移植民を推進したことが、明治日本の「出移民」に大きく影響していた。 他方、当該期に海外移植民に取り組んだ榎本武揚の活動を分析し、明治初期から生産的経済活動を重視し、日本人による海外進出を推進していた点を明らかにした。その両者が協調的に殖民協会を設立していく過程を解明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近代日本が帝国化する直接的な要因として、海外移植民の送出を挙げておきたい。従来の「出移民」に関する研究は、経済活動および外交史的な側面から研究が蓄積されてきた。それに対して、本研究では政治活動に着目し、「出移民」の政治要因(PUSH要因)を明らかにした。国権拡張と共に国家の富強化を促す際、明治期の政党政治家たちが民営での海外移植民事業を国家目標(国是)に掲げていた点を解明した。自由党が政府に接近し、政権担当能力を身に付けていく過程と、海外移植民の奨励が伴走関係にあった。さらに、榎本武揚の植民政策を解明し、政党政治家たちと共通の植民ビジョンが存在したことを証明することに繋がった。
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