研究課題/領域番号 |
19K13324
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
井上 将文 北海道大学, 文学研究院, 専門研究員 (60791126)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
|
キーワード | 移民 / 北海道 / 酪農 / 農業 / 拓殖 / 経済更生計画 / 農家 / 拓殖計画 / 農業移民政策 / 地力 / 技師 / 営農 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦時期における海外への移民政策が、出移民地域であった北海道の各市町村に及ぼした影響とともに、満州移民政策を通じて大陸にもたらされた北海道拓殖の経験が、満州営農に与えた影響を明らかにすることを目的としている。海外移民政策は、国外への「ヒトの移動」を促進するのみならず、移民が出身地域において培っていた経験や技術をも移動させ、移民を送出する地方社会に対しても影響を及ぼすものであった。
|
研究成果の概要 |
本研究では、昭和戦前期から戦中期にかけて、北海道を対象に推進された移民政策が、北海道の地域社会に及ぼした影響について明らかにした。ブラジル及び「満洲国」を対象として推進された移民政策は、北海道の地域社会からの人口流出を引き起こすとともに、北海道庁の官吏などの指導者層の流出の要因となった。その一方で当該期の北海道では、拓殖計画のもとで人口の増加や移民の受け入れが重視されていた。昭和初期の連続凶作を契機として、道内の造田限界地帯では人口の流出が顕著となり、水田耕作にかわる新たな営農方法として酪農経営が重視されるに至った。戦前期の北海道において酪農経営は、移民の経営手段としての側面があった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、昭和戦前期の北海道の有する移民受入地としての役割を明確にした点にあると考える。従来の研究において当該期の北海道は、ブラジルや「満洲国」といった海外へと人口が流出する傾向にある、いわば移民送出地としての性格が強調されてきた。 しかし、その一方で、昭和戦前期の北海道は、北海道第二期拓殖計画の下で移民の受け入れや人口の増加が推し進められていた、国策上重要な移民受入地であった。あわせて、本研究では、受け入れた移民の経営策として、酪農が重要視されていた点について明らかにした。この点は、今日の北海道において酪農が主幹産業として位置付けられるまでの史的背景を考える上で、重要と考える。
|