研究課題/領域番号 |
19K13326
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 秋田大学 (2021-2022) 東北大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
清水 翔太郎 秋田大学, 教育文化学部, 講師 (60815679)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2020年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2019年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
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キーワード | 近世大名 / 顕彰 / アーカイブ |
研究開始時の研究の概要 |
明治から大正にかけて行われた近世大名の顕彰事業は、伝記などを通して郷土の偉人としてのイメージを形成し、それは現代社会においても根強く残されている。本研究は、旧藩士らによる史料収集や顕彰事業の実態を検討し、実像とは離れたイメージが形成されていく過程を明らかにするとともに、近世史料も駆使してその実像を解明することを目的とする。 本研究では、秋田藩における寛政改革を主導し、「明君」とされた9代藩主佐竹義和を事例として、旧藩士により収集された史料群に注目し、収集活動の上に歴史叙述がなされたことを論じる。さらに佐竹義和の自筆政務記録の分析を通してその政治的役割を実証する。
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研究成果の概要 |
本研究は、秋田藩9代藩主佐竹義和を事例として、近代における旧秋田藩士による大名顕彰事業の実態を分析するとともに、近世史料を用いて義和の実像を検討した。その結果、明治末年から大正期にかけて、佐竹義和の顕彰事業が進められ、義和を中興の「名君」とする認識が共有されることを明らかにした。また、佐竹義和の自筆記録の分析を通して、評伝を通して語られてきた家老との関係を相対化し、一門や側方が義和の意思形成に影響を及ぼしていたことを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、日本近世史、近代史を架橋し、さらにアーカイブズ学の視点から大名のイメージ形成過程とそれに対する実像に迫った点で学術的意義がある。また、近世大名については、伝記などを通して郷土の偉人としてのイメージが形成され、それは現代社会においても根強く共有されているが、本研究は大名の自筆記録を用い、共有されている大名像の相対化を図った。すなわち、実証的な分析により、その成果の共有を図った点で社会的意義がある。
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