研究課題/領域番号 |
19K13345
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 明治学院大学 |
研究代表者 |
古波藏 契 明治学院大学, 社会学部, 研究員 (90834606)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 沖縄近現代史 / 歴史社会学 / 島ぐるみ闘争 / 復帰運動 / 経済史 / 社会運動史 / キャラウェイ旋風 / 沖縄近現代史研究 / 冷戦史研究 |
研究開始時の研究の概要 |
1960年代前半、米軍統治下にあった沖縄には、米国や日本本土からの資本が流れ込むようになった。1950年代半ばに島ぐるみ闘争に直面した米国は、これら外資の力を借りて住民の生活水準を引き上げ、政治的な緊張を回避しようとしたのである。 ところが1960年代の半ばには、「第二の島ぐるみ闘争」とも呼ばれる全面的な対立関係へと回帰していく。本課題の目的は、この不可思議な展開の謎を歴史的に解明することである。
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研究成果の概要 |
本研究課題の目的は、1960年代沖縄の社会経済構造が住民側の抵抗運動をどのように条件づけたのかを明らかにすることである。1960年代の半ばには、超党派的な自治権拡大運動(=「第二の島ぐるみ闘争」)も生じたが、そうした動きを惹起するような構造的背景はどのようなものだったのか。住民側と融和という政策意図にもかかわらず、「第二の島ぐるみ闘争」のような広範な反発を惹起し、さらには復帰運動のような抵抗運動を抑止し得なかったのはなぜか。こうした問いに対し、米国の政策転換の狙いが復帰運動の「穏健な育成」にあったという仮説を設定した上で検証を行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本課題が扱った1960年代前半は、島ぐるみ闘争と復帰運動という、戦後沖縄の代表的な大衆運動の狭間に当たる。二つの運動は米軍当局に対する抵抗運動という点で共通し、先行研究でも連続・発展的関係として位置づけられてきた。他方、本課題は、その違いと断絶に着目した。 島ぐるみ闘争後の米国は住民との融和を図り、米国統治方針の刷新を図った。にもかかわらず、復帰運動という新たな抵抗運動が引き起こされた理由を考えるためには、二つの運動を腑分けし、各々の動因を社会経済構造との関わりから再検証する必要があると考えた。 こうした検証は、復帰後の沖縄で大衆運動の停滞が生じた理由を考えていく上でも不可欠と考えられる。
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