研究課題/領域番号 |
19K13352
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
細谷 亨 立命館大学, 経済学部, 准教授 (40762068)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 海外引揚 / 引揚げ / 引揚者 / 満蒙開拓団 / 家族経営 / 生活保護 / 戦後開拓 / 農地改革 / 満洲移民 / 外地引揚 / 中国残留日本人 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、満洲移民(満蒙開拓団)を送り出した地域・母村が、敗戦後、引揚者をどのように迎え入れたか、また、帰還してきた引揚者がどのような援護を受け、「戦後」を生きていったのかを明らかにする。そのことによって、満洲移民と引揚者、中国残留日本人など未帰還者を戦前・戦時・戦後の歴史過程のなかに位置づけ、彼ら/彼女らと、地域・政策展開を含む戦後日本社会との関係を解明することにつながると考える。 満洲移民や引揚者問題など東アジアを舞台とした人の移動から近現代日本の歴史を考えることは、「多民族共存」などグローバル化が進む現代社会を考察するうえでも、重要な知見を提示し得る可能性をもっていると言えるだろう。
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研究成果の概要 |
本研究の課題は、徳島県の山村を事例に、敗戦直後から1950年代前半までの引揚者の存在形態を明らかにすることである。研究からは、村で生活再建を図る引揚者を地主、無産者、農家収容の三つの類型に区分し、階層分析を行った。それによると、1950年代前半の時点で、引揚者の多くは貧困からは脱していた。その過程では、農業への依存度など類型間の差はあったが、共通点として地域における共同体的な関係や兼業・多就業的な経営によって生活再建が図られたことがわかった。また、引揚者の生活を支える手段として、生活保護、戦後開拓、農地改革など戦後改革期の諸政策を組み合わせながら活用していた事実が明らかになった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、満洲移民を送り出した地域・母村が、敗戦後、引揚者をどのように迎え入れたのか、また、引揚者がどのような援護を受け、「戦後」を生きていったのか、具体的な生活再建過程に即して明らかにするものである。引揚げ研究は、近年注目され始めたテーマであり、その全体像や国際比較など議論が進んでいるが、その一方で、引揚者の戦後史については十分に明らかにされているとは言い難い。また、現在、人の移動や地域社会のあり方、社会福祉行政への関心が高まっている。そうした中で、敗戦後の引揚者と地域経済社会、戦後日本社会との関係を問う研究は歴史研究にとどまらず、現代的な諸課題を考えるうえで示唆を与えるものとなろう。
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