研究課題/領域番号 |
19K13353
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
横山 尊 九州大学, 比較社会文化研究院, 特別研究者 (20712152)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 禁酒運動 / メディア / 教育 / 日本禁酒同盟資料館史料 / 未成年者飲酒禁止法 / 日本国民禁酒同盟 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、近代日本における禁酒運動と教育・メディアとの関係性を解明する。その解明に、日本禁酒同盟資料館の旧蔵史料を活用する。主な内容は次の通りである。①日本国民禁酒同盟(1920年結成)、姉妹団体の日本学生排酒聯盟(1922年結成)の活動に着目し、これらが学生や児童を禁酒運動に取り込みながら運動を展開したかを解明する。②同盟や聯盟が刊行したメディア、『禁酒新聞』、『のぞみの友』、『無酒国』などの編集方針と編集組織、執筆陣の分析を通し、メディアの禁酒教育への影響、各学校の運動家間のネットワークの解明を行う。③未成年者飲酒禁止法の運用、外地への拡張や改正をめぐる論議を、①、②を踏まえ解明する。
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研究成果の概要 |
本研究は、日本国民禁酒同盟旧蔵史料を対象とし、1920~40年代の日本の禁酒運動のメディア、さらに未成年者飲酒禁止法(1922年)などの遵法を通した禁酒教育の解明を試みた。主たる成果は、第一に、武蔵野大学が所蔵する日本国民禁酒同盟旧蔵史料、さらに安藤記念教会が蔵する明治~大正期の日本禁酒同盟史料の主な媒体の撮影を済ませた。第二に、その史料のうち、戦前の『禁酒新聞』、さらに少年少女向けの禁酒雑誌『のぞみの友』の目次集を作成し、武蔵野大、日本禁酒同盟に提供し、禁酒運動研究の基礎情報の豊富化に貢献した。第三に、そのメディアを通した広義の禁酒教育の社会、政治への影響を考察した複数の成果を発表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究成果の学術的意義は、日本禁酒同盟資料館所蔵史料の全面的活用、メディア分析、原史料研究に基づいた、禁酒運動研究史の前例のない精緻化ができたことである。日本国民禁酒同盟の内部史料は国会図書館や全国の大学図書館に所蔵はほとんどなく、他の研究者の活用例はほぼなかった。しかし、本研究により、『禁酒新聞』、『のぞみの友』は実態が解明され、禁酒運動の予想外の社会への浸透を理解することができた。 研究成果の社会的意義は、現代社会において未成年者の飲酒の管理や取締に関する規範が次第に強まりを見せている中、その歴史的背景を精緻に解明し、歴史的観点からの考察の材料を過去にない精度と分量で提供できたことである。
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