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外交文書の「見た目」から読み解く近世日朝関係の特質

研究課題

研究課題/領域番号 19K13356
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分03020:日本史関連
研究機関舞鶴工業高等専門学校

研究代表者

牧野 雅司  舞鶴工業高等専門学校, その他部局等, 准教授 (10754301)

研究期間 (年度) 2019-04-01 – 2023-03-31
研究課題ステータス 交付 (2019年度)
配分額 *注記
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
キーワード対馬藩 / 朝鮮 / 書契 / 外交文書 / 江戸幕府 / 以酊庵
研究開始時の研究の概要

漢文で作成された外交文書は、使用する文字や書き方によって尊卑が視覚的に表現され、外交儀礼上の序列が明示されるという特徴がある。そこで、日朝間で往復する外交文書の字句や書き方、すなわち「見た目」に着目し、そこから近世日朝関係において互いの関係をどのように設定しているのかを解明する。書契の字句の規則を記した『御書翰嫌字覚書』や、違反書契に対する両者のやりとりを記録した『分類紀事大綱』、『辺例集要』などの史料から書契のやりとりの具体像を明らかにすることで、日朝双方が同じ問題に対してどのような見解を示しているかを読み解く。

研究実績の概要

今年度はまず、当初計画していた国立国会図書館所蔵『両国往復書謄』の電子データの収集と整理を行った。そして、近世初期のものから順に、この史料に掲載されている書契のデータベース化を開始した。
研究開始当初の目標は、書契の題名(=外交使節の役割)、差出、「奉書」などの差出文言、宛先、1文字分擡頭されている字句、2文字分擡頭されている字句、日付の7項目をピックアップし、リスト化していくことであった。しかし、今後分析の幅を広げていく上で、次の点で情報量を増やしていく必要があることに思い至り、リストの充実を図った。一つは使者の名前である。対馬藩には膨大な史料が残されており、通時的なつながりだけでなく、同時代的なつながりをたどっていくことも可能である。その手がかりとして、どの外交使節として誰が派遣されたのかという情報は、関連する史料を検索するのに極めて有力な手がかりとなり得るものである。そのため、周辺の史料と関連付けながら分析を行っていくことを考え、使節に任じられた藩士名のリストアップも行うこととした。もう一つは、平出されている字句である。平出も敬意を表す表現の一つである一方、擡頭されている字句とは明確に差が付けられている。対馬藩・朝鮮が書契の字句上で互いの関係を表現しようとしているのであれば、平出している字句についても検討することが必要である。そのため、項目を増やし、リストを補強していくこととした。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

データベースを充実し、一貫したものにするにあたって若干の補足が必要となるなど、時間を要することとなった。前述のように、分析をより精緻化するために、擡頭されている字句だけでなく、平出されている字句についても抽出するよう方向転換を図った。そのため、当初予定していた分量のデータベース化を行うことができず、全体の工程としては遅れが生じる結果となった。
また、年度末に予定していた史料調査を実施することができなかったことも、作業の遅れを生じる要因の一つとなった。

今後の研究の推進方策

修正した方向性に沿って、近世中期までの書契のデータベース化を進めていく。抽出する要素についてはほぼ固まったため、今後大きな軌道修正は起こらないと考えている。ただし、今後分析が深化していく上で軌道修正が必要となった場合は、その都度柔軟に対応していく。
また、実施できなかった史料調査についても、実施していくこととしたい。ただし、この点は新型コロナウイルスへの対応が必要であり、実施できない可能性も高い。そのため、電子データで収集できるものを中心に可能な限り集めていくこととする。

報告書

(1件)
  • 2019 実施状況報告書

URL: 

公開日: 2019-04-18   更新日: 2021-01-27  

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