研究課題/領域番号 |
19K13357
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03020:日本史関連
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研究機関 | 神奈川県立金沢文庫 |
研究代表者 |
三輪 眞嗣 神奈川県立金沢文庫, 学芸課, 学芸員 (30829297)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 東大寺 / 尊勝院 / 華厳 / 久米田寺 / 神護寺 / 称名寺 / 東国 / 律僧 / 律院 / 法会 / 桂宮院 / 高山寺 / 金沢文庫 / 湛睿 / 南都 / 華厳教学 / 寺院 |
研究開始時の研究の概要 |
鎌倉時代は京都・奈良だけでなく鎌倉でも仏教が盛んに研究される時代であり、奈良の東大寺や興福寺で発展した南都仏教も、鎌倉や他地域の寺院で展開していった。本研究では、東大寺を中心に学ばれていた華厳教学が畿内・東国の寺院にどのように展開していったのか、その担い手はどのような僧であったかを、東大寺や大阪・久米田寺や神奈川・称名寺などの寺院に伝わった古文書・古記録・聖教を横断的に検討することで明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、主に鎌倉期において、南都寺院とその周辺寺院の間で展開した顕教教学の修学活動を、学侶と律僧による華厳教学活動を事例として解明した。南都における華厳教学の中心である東大寺尊勝院、南都の周辺での拠点となった寺院として、久米田寺や神護寺を取り上げ、これまでほとんど寺院史的視点からの検討が進んでいなかったこれらの寺院における僧侶のあり方を、修学活動という僧侶の本質的な活動に即して明らかにした。本研究で見えてきた、南都寺院とその周辺寺院で形成された華厳教学の修学環境は、中世南都仏教が称名寺などの東国寺院へ波及し、中世東国仏教として展開していく歴史的前提といえる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
鎌倉時代は浄土・法華・禅・律など新興の仏教教団が形成される一方、主流の顕密仏教も様々な展開を見みせる時代であった。奈良(南都)では顕教教学が盛んに学ばれており、なかでも華厳教学は鎌倉を中心とする東国社会にも広がり、新たな展開を見せた。 本研究では、鎌倉時代における華厳教学の展開を可能にした基盤として、これまではあまり注目されてこなかった寺院のネットワークや僧侶の教学的な交流の様相を明らかにした。主要な検討対象として、華厳教学の中核的拠点である東大寺尊勝院、京都における拠点である高山寺・神護寺、地方での拠点である和泉国久米田寺を取り上げ、これらの寺院間で形成された華厳教学の修学環境を解明した。
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