研究課題/領域番号 |
19K13362
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
佐野 克司 筑波大学, 人文社会系, 研究員 (00836067)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | アッシリア王碑文 / アッシリア学 / プロパガンダ / 王碑文 / アッシリア王碑文研究 |
研究開始時の研究の概要 |
王権は「権威」と「力」の側面から構成されているが、アッシリア学者は長きに渡って前者に研究の焦点を当ててきた。それゆえ、王の存在を正当化たらしめた「権威」にかんする知識は、すでにかなりの程度蓄積されているが、「力」の側面にかんしてはほとんど明らかになっていない、というのが現状である。本研究の目的は、アッシリア王の業績を詳細に記録した「王碑文」において、どのような技術や方法を用いて「強い王」が表象されたのかを体系的に明らかにすることにある。
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研究成果の概要 |
アッシリア王碑文は、王室イデオロギーに基づいて作成されたため、記録の中から歴史的事実に近いと考えられるデータを引き出すためには、王碑文を作成した書記がアッシリア王を「強い王」として表象した技術全般を解明する必要がある。これを目的とした調査を行った結果、アッシリアが他国に譲歩した外交や戦闘における敗北などのネガティブな出来事が事実の「書き換え」や「黙殺」によって隠蔽されていたことが明らかになった。また、文学作品の技法を使用して王を叙事詩に登場する英雄のように表象していたことや、王の軍事的な功績が数の操作などによって誇張されていたことが判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
アッシリア王碑文を歴史史料として使用するために必要となる知識をアッシリア学内外の研究者に提供できることに研究成果の学術的意義がある。誇張ないし歪曲されたアッシリア王の功績が多数の研究者に歴史的事実として受け入れられている状況にあって、研究代表者が行った調査はアッシリア史の修正に大きく貢献し得る。また、本研究課題の研究成果は、近年関心を集めているアッシリアの文化遺産に対する深い知見を提供できる点において社会的意義を有している。
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