研究課題/領域番号 |
19K13363
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 大阪大学 (2021-2022) 東京大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
宮本 隆史 大阪大学, 大学院人文学研究科(外国学専攻、日本学専攻), 講師 (20755508)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 監獄 / アーカイブ / 歴史認識 / 歴史叙述 |
研究開始時の研究の概要 |
近代のアジアにおけるイギリス領植民地と日本の監獄の歴史を事例とし、歴史的情報の集積としての「アーカイブ」がいかに形成され変化しネットワーク化されてきたのか、そしていかなる歴史の叙述が生産されてきたのかを分析する。両地域において、近代化の過程で監獄制度が形成された19世紀半ばからの1世紀間の変化を観察する。アーカイブを歴史研究の所与の前提としてとらえるのではなく、アーカイブ自体の変化と歴史叙述の相互作用を、社会・政治・技術的な文脈に置いて考察する。
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研究成果の概要 |
本研究では、日常的な活動における記録の生産やその保存・活用あるいは廃棄といった行為を「アーカイブ」的行為ととらえ、監獄という場における事例研究を行なった。ウルドゥー語、ヒンディー語、英語、日本語の歴史資料に依拠して研究を進めることとし、アジアにおける英領植民地と明治日本の監獄に注目した。パーキスターンと日本(北海道および九州)における資料収集と現地調査を行ない、資料の分析を進めた。成果として、英領インドの北西州における監獄ネットワークの形成過程、監獄報告書等を基盤とする情報の集積を前提にした「監獄の失敗」の言説とその作用、そして「記憶の場」としての流刑地の表象についての考察を行なった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、歴史的情報の集積としての「アーカイブ」がいかに形成され変化しネットワーク化されてきたのか、そしていかなる歴史の叙述が生産されてきたのかを、情報を取り巻く制度的・政治的・社会的な環境に関連づけて考察した。「アーカイブ」なるものが形成されてきた制度変化の過程を明らかにする作業と、歴史叙述に関する文献学的・解釈学的作業を接続する点に学術的意義があると考えている。また、「アーカイブ」と歴史叙述の関係と両者の形成過程を歴史学的に考察する試みとして、現代社会の「フェイクニュース」や歴史修正主義をめぐる議論についてのひとつの視角を提供しうるという点で社会的意義を有すると考える。
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