研究課題/領域番号 |
19K13376
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 東京大学 (2020) 早稲田大学 (2019) |
研究代表者 |
周 俊宇 東京大学, 先端科学技術研究センター, 特任研究員 (70812650)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2021-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2020年度)
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配分額 *注記 |
1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 台湾 / 民族性 / 中国 / 台湾議会設置請願運動 / 他者認識 / 日本 / 台湾研究 / 植民地政治史 / 台湾政治史 / 台湾思想史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、戦前の植民地台湾と日本内地において、1921年から1934年まで台湾人エリートにより展開された代表的な反植民政治運動、すなわち台湾議会設置請願運動について、これまで注目されてこなかった在台日本人の言説を考察し、そこから在台日本人社会の「台湾人」認識がどのように反映されているかを検討することを目的とする。 なお、台湾議会設置請願運動自体は1934年まで続いたが、帝国議会での請願が成功する見通しがなく、また内部の路線対立・分裂により、1930年代前後より形骸化したため、この運動と真剣に向き合った言説も実際に1920年代に集中しているため、研究の射程に関しては1920年代の認識とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、1920年代に在台日本人論者が台湾社会や政治の変容を論じた著作を素材に、彼らが近代台湾史上初の「台湾人」(漢人を意味し、先住民は含まれない)自身による本格的な政治運動である議会運動を、「台湾人」の民族性に対する認識という文脈からいかに論じたか、そして議会運動がいかなる認識空間に置かれていたかを検討した。 具体的に、こうした議論が1920年代までの在台日本人の「台湾人」認識といかなる関係にあったか、また同時代の民族心理学といかなる関係にあったかについて論じた。さらに、在台日本人社会による「台湾人」認識の特徴を指摘し、こうした認識に対する「台湾人」エリートの受け止め方についてもふれた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
日本統治下における「台湾人」意識の生成過程について、これまで主体性が重視される台湾史研究において考察がなされてきたが、いわゆる民族性に関して、差別の口実だとして自明視され、その内実や変容は検討されてこなかった。 1920年代は台湾人認識を議会運動と関連させながら論じる文献が多く世に問われ、その中には「台湾人」の民族性に対する観察が多く含まれている。本研究は、これらの言説を検討することにより、1920年代における在台日本人の「台湾人」認識、そして議会運動がどのような認識空間に置かれていたかといった点で新しい知見を貢献した。
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