研究課題/領域番号 |
19K13377
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 多摩大学 |
研究代表者 |
水盛 涼一 多摩大学, 経営情報学部, 准教授 (20645816)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 官僚制度 / 人事査定 / 旗人社会 / 少数民族政策 / 近代化 / 歴史認識 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、中国の近代を当時の“支配民族”出身の一般的官僚の動態から観察することにある。“支配民族”とは主に満洲族やモンゴル族を指す。彼らは清朝の建国に功績を挙げ、官僚の重要な供給源となった。しかも彼らはしばしば中央や地方の枢要な地位に在って政治動向に影響を与えたのである。それにもかかわらず、彼ら少数民族官僚の実態は長らく曖昧であった。そこで、新発見にかかる清朝後期の旗人官僚名簿の整理と分析、新たに公開された旗人作成文書の内容分析と送信側・受信側の関係性調査といった作業を通して解明を目指す。この作業は李鴻章など“著名人”に偏重していた中国近代史像とは異なる新たな清朝像を提供できるだろう。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、中国の近代を当時の“支配層”出身の一般的官僚の動態から観察することにある。“支配層”とは主に満洲族やモンゴル族、および興隆期に政権へ助力した一部の漢族を指す。彼らは清朝の建国に功績を挙げ、官僚の重要な供給源となった。しかも彼らは出世も早く、中央や地方の枢要な地位に在って政治動向に影響を与えたのである。それにもかかわらず、彼ら少数民族官僚の実態は長らく曖昧であった。そこで、新発見にかかる清朝後期の旗人官僚名簿の整理と分析、新たに公開された彼ら支配民族の作成した文書の内容分析と送信側・受信側の関係性調査、自己認識の変容の検討といった作業を通して解明を目指した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
現在いわゆる“明清史”と総称される研究分野では、清朝の内陸アジア的性格を重視する研究が多数を占め、明朝と清朝の不連続を強調する傾向が強い。ただしその多くは乾隆(1736年~1795年)に至る清朝前半期の満蒙の王公や旗人官僚の特異性を論じる。しかし清朝後半期に関する研究は少なく、また基層・中級官僚の追跡は困難であった。本研究は申請者の既存の研究成果の延長線上にあり、研究史の空白を補うものとなった。ここからはさらに多様な清朝の実態を見いだしたものと信じる。なお対比調査を行った現代中国の関係部署管理や教育行政の分野においても、歴史時代と相似をなす政権の政策方針を確認することができた。
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