研究課題/領域番号 |
19K13380
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03030:アジア史およびアフリカ史関連
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研究機関 | 京都大学 (2020-2022) 公益財団法人東洋文庫 (2019) |
研究代表者 |
山口 元樹 京都大学, アジア・アフリカ地域研究研究科, 准教授 (60732922)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 東南アジア史 / インドネシア / イスラーム / アラブ地域 / エジプト / 留学 / マラヤ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、20世紀前半のインドネシア(当時のオランダ領東インド)におけるイスラーム運動とアラブ地域との関係について考察するものである。国民国家形成期のインドネシアのイスラームについて、この地域の固有の論理とイスラームの持つ広域性・普遍性の双方を踏まえた分析を試みる。 本研究が取り上げる事例は、インドネシアの伝統派イスラーム団体ナフダトゥル・ウラマーにおけるアラブ地域のイスラーム改革主義運動の影響とインドネシアのムスリムによるカイロへの留学の2つである。インドネシアのイスラーム運動とアラブ地域との関係について、思想の受容とヒトの移動によるネットワークの2点を明らかにしていく。
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研究成果の概要 |
本研究は、20世紀前半のインドネシア(当時のオランダ領東インド)におけるイスラーム運動とアラブ地域との関係について考察した。本研究が取り上げたのは、インドネシアの伝統派イスラーム団体ナフダトゥル・ウラマーによるアラブ地域のイスラーム改革主義運動の影響の受容とインドネシアのムスリムによるカイロ留学の2点である。ナフダトゥル・ウラマーについては、アラブ地域の改革主義運動の影響を受け入れ政治的な役割を果たすようになっていたことが明らかになった。他方で、カイロ留学については教育などの実態を解明するとともに、カイロ留学を経験した者たちがアラブ地域の思想を伝達する仲介者であったことを検証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年の東南アジア・イスラーム研究では、アラブ地域との影響関係の重要性が強調されている。しかし、これまでの研究では、両地域の影響の伝達や受容のプロセスについては漠然とした説明に留まっていた。また、アラブ地域の影響は東南アジア側では受動的に受け入れられ、それが東南アジア社会の分裂をもたらすものとして論じられてきた。これに対し、本研究はアラビア語、インドネシア語、オランダ語の史料を用いることで複合的かつ実証的な分析を試みている。東南アジアのムスリムによるアラブ地域の影響の選択的な受容や、アラブ地域の影響が現地社会の統合を促す方向に作用した事例を明らかにすることができた。
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