研究課題/領域番号 |
19K13384
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
川本 悠紀子 名古屋大学, 人文学研究科, 准教授 (70780881)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 古代ローマ / 庭園 / フォーマル・ガーデン / 建築 / ポンペイ / 哲学 / 古代ローマの庭園 / トピアリー / 古代ローマの別荘 / 古代ギリシア哲学 / 農業書 / 古代ローマ建築 / Wilhelmina Jashemski / 西洋古典学 / 西洋古代史 / 建築史 / ギリシア哲学 / 古代ローマ庭園 / ランドスケープ / ウィトルウィウス / キケロ / 庭園史 / ローマ / Roman Gardens / Horti Romani / Pompeii / Classics / topiary |
研究開始時の研究の概要 |
これまで、フォーマル・ガーデン(西洋の庭園に見られる左右対称に植物が配置され、草木が整形された庭園)の起源は古代ローマ時代に遡ると考えられてきた。しかし、史料上での庭園に関する言及、ポンペイをはじめとする遺跡の庭園遺構、壁画での庭園描写から、古代ローマの庭園が、実態としてはこれといった規則性もなく木々が生い茂った庭であったということが明らかとなった。 本研究は、古代ローマの庭園に関するラテン語史料とそれに対するルネサンス期に書かれた注釈書などの史料の分析を通して、古代ローマ庭園がフォーマル・ガーデンの起源であるという言説が、どのような経緯によって生み出されたのかを明らかにしようとするものである。
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研究成果の概要 |
本研究は、シンメトリーに植物が配置され、草木が剪定されたフォーマル・ガーデンと呼ばれる庭園の起源が古代ローマ時代の庭園にあるとするこれまでの言説を再検証し、なぜこのような言説が生まれるに至ったのかを考察することを目的とした。なぜなら、発掘成果や、史料・壁画の分析からは、フォーマル・ガーデンらしき要素を古代ローマ時代の庭園に見出すことは困難だからである。本研究により、英国においてフォーマル・ガーデンに見られる迷路のような庭園造形は古代ローマ時代の史料に依拠していなかったことが明らかになった。さらに、ラテン語文献の精査により、哲学が庭園や建築に影響を与えていたと判明した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西洋の庭園に見られる「フォーマル・ガーデン」の起源は、古代ローマにあると考えられてきた。しかし、本研究により16世紀イングランドに登場するフォーマル・ガーデン的特質を持つ庭園造形は、古代の著作が影響を与えるようになる以前から存在していた可能性が高いと明らかになった。また、古代ギリシアの哲学が庭園や建築に与えた影響力の高さも判明した。このように、本研究は文化の伝播とその形成の一側面を示したと考える。
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