研究課題/領域番号 |
19K13390
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
坂野 正則 上智大学, 文学部, 教授 (90613406)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,990千円 (直接経費: 2,300千円、間接経費: 690千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 近世フランス / ナント王令 / 建築史 / 都市史 / 科学史 / ノートル=ダム大聖堂 / 教会建築 / 17世紀 / 近世ヨーロッパ / フランス / 宗教論的転回 / 宗教と空間 / 宗教モニュメント / 都市と宗教 / 建築と宗教 / 宗派国家 / カトリックとプロテスタント / 人物誌 / パリ / 宗教論的展開 / ノートルダム大聖堂 / 宗教と科学 / ナント王令体制 / 軍事史 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の独自性は、宗派越境的視点と学際的アプローチにある。ナント王令は、宗教と法律の問題と考えられがちだが、その射程は建築史、土木史、科学史、商業史、政治史、軍事史、文化史へと広がる可能性を秘めており、各分野の分析手法と集積された知見を組み合わせる必要がある。これまでルイ14世やヴェルサイユ宮殿の宮廷生活といった側面が注目を浴びてきたが、宗派越境的・領域横断的な人物誌の視点から宗教と社会との関係を再考したい。近年、近世ヨーロッパ史における国政や社会の複合性についての議論が盛んになりつつあり、本研究もそうした「絶対王政」再考の一部を構成するよう努める。
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研究成果の概要 |
宗派越境的視点と学際的アプローチが本研究の方法論の中核を占めていたため、西洋史学・建築史学・都市史学との学際的研究集団の形成をおこなった。史料調査の実施については、2022年度にロワール地方のソミュールとパリにおいて、オラトリオ会神学校関連の古文書調査を実施した。それ以外にはコロナ渦で刊行史料やオンラインで閲覧できる一次史料の収集・整理・分類をおこなった。 研究成果の公表については、研究前半には、パリ・ノートル=ダム大聖堂の歴史的再生に関する論文集を出版し、研究最終年度にシンポジウムを実施した。また、18世紀マルセイユのペスト渦に関する論文も公表した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
17世紀前半のフランスを対象とし、絶対王政の準備期間としてではなく、近世フランス社会の本質が誕生した時代として宗教、とくに宗派間関係を基軸にして社会像を検討しなおす作業は、日本では未開拓の領域であり、それを空間や思想を専門とする研究者と学際的なアプローチで取り組めたことは、大きな学術的意義があると言える。 また、この研究活動の過程で生まれた、パリ・ノートル=ダム大聖堂の歴史に関する共同研究は、現代パリにおける大聖堂の火災からの復興に関する学術的情報を日本人が正確に獲得することに役立っていることは、本研究のもつ社会的意義を大いに物語っていると言える。
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