研究課題/領域番号 |
19K13396
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03040:ヨーロッパ史およびアメリカ史関連
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研究機関 | 福山大学 |
研究代表者 |
村上 亮 福山大学, 人間文化学部, 准教授 (80721422)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | ハプスブルク帝国 / ボスニア・ヘルツェゴヴィナ / 南スラヴ問題 / 豚戦争 / フランツ・フェルディナント / 日墺関係史 / ハプスブルク / セルビア / サライェヴォ事件 / 第一次世界大戦 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究はハプスブルク帝国の支配のありようをボスニア・ヘルツェゴヴィナ統治から捉えなおすことを目的とする。具体的には、ハプスブルク独自の国制(二重制)のもとで唯一の共同統治領であったボスニアに憲法が施行されるまでの帝国中枢の動向、ならびに、ボスニア憲法施行後のボスニアにおける重要施策の内、鉄道敷設、行政権をめぐる文民政府と軍部のせめぎあいの検証を通じて、ハプスブルク支配の本質を浮き彫りにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
本課題の研究成果は、以下のとおりである。 (1)ハプスブルクのボスニア支配の特質をボスニア憲法の制定過程から分析した。とくに、ハプスブルクの政体がボスニアの自治を両立しない点を明らかにした。(2)第一次世界大戦の開戦原因としてのハプスブルクとセルビア間の豚戦争の背景と過程を解明した。また、第一次大戦の開戦原因をめぐる論争の現状を明らかにした。この点については、C・クラークの著作『夢遊病者たち』の問題点も指摘した。(3)フランツ・フェルディナント大公夫妻を暗殺したガヴリロ・プリンツィプの記憶の変容を跡づけた。(4)フランツ・フェルディナントの訪日糸口として、日本=オーストリア関係史を検討した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、新領土ボスニアの処遇と手がかりとしてハプスブルク帝国の支配のありようを解明した点である。より具体的にいえば、ボスニアの憲法(自治)問題からその独特の国制の硬直性を明らかにできたこと、第一次大戦の開戦原因をなす南スラヴ問題の実態を詳らかにしたことは大きな意味を持つ。サライェヴォ事件をめぐる記憶の変容を跡づけたことも意義として付記しておく。 社会的意義は、日本=ハプスブルク関係史研究に一石を投じた点をあげたい。つまり、ボスニアと台湾の植民地統治の比較は画期的な試みであり、またフランツ・フェルディナントの訪日を勲章外交の視角から跡づけたことは、日本史研究にも貢献するものである。
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