研究課題/領域番号 |
19K13399
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | (財)古代オリエント博物館 (2021-2022) 筑波大学 (2019-2020) |
研究代表者 |
千本 真生 (財)古代オリエント博物館, 研究部, 研究員 (10772105)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 考古学 / バルカン半島 / ブルガリア / 青銅器時代 / 編年 / 土器 / 土器生産 / ヨーロッパ / 胎土分析 / 先史考古学 / 土器生産・流通 / 西アジア都市社会 |
研究開始時の研究の概要 |
古代西アジアからヨーロッパにいたる「都市化」プロセスの詳細は明らかになっていない。その要因の一つにバルカン半島における研究の遅れが想定される。本研究では、西アジアに隣接する半島南東部のトラキア地方における前・中期青銅器時代の編年体系を構築する。そのうえで、自然科学的分析手法も援用した胎土分析を実施することによって、土器の生産および流通の実態とその時間的変化を明らかにし、バルカン半島の地域社会が西アジア都市社会とどのように交流し、またどのように変容していったのかを研究する。
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研究成果の概要 |
本計画はバルカン半島における青銅器時代の在地社会の特徴をよりよく理解するために、トラキア地方を中心に高精度編年を構築することと土器生産技術を明らかにすることに焦点を当てた。その結果、本研究で前期青銅器時代から中期青銅器時代にかけて連続する放射性炭素年代データを得た。このデータに基づいて、前期青銅器時代終末(前2200-2000年)と中期青銅器時代に年代づけられる土器の型式学的特徴を明らかにした。さらに、ブルガリア・トラキア地方では、前2200-2000年にテル型集落が衰退し、平地型集落が優勢になることを明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
西アジアからヨーロッパにかけて「古代都市」が拡散していく過程を解明するために必須となる前期・中期青銅器時代の高精度編年の確立にむけて、ブルガリア・トラキア地方を中心に最新のデータを提供し、それに基づく地域的な時間軸を提示することができたことが、これまでの西ユーラシア青銅器時代研究における重要な成果といえる。さらに、トラキア地方の青銅器時代社会が変容していった背景の一つに気候変動の可能性を提示することができた点は、人類史を俯瞰的に捉えるうえで有意義であると考える。
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