研究課題/領域番号 |
19K13400
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
市川 彰 名古屋大学, 人文学研究科, 共同研究員 (90721564)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | メソアメリカ / 都市 / 公共建築 / 土製建築 / 建築技術 / 日干しレンガ / 文化遺産の修復保存 / サン・アンドレス遺跡 / サン・アンドレス / 労働組織 / 修復保存 / マヤ / エルサルバドル / オープンサイエンス / 都市形成 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、古代メソアメリカ文明に特徴的な土製公共建築を考察対象として、その建築技術を微細に検討することにより、この地における都市文明の創造過程を解明する。メソアメリカ南東部周縁都市であるサン・アンドレス遺跡の発掘調査と建築材の理化学分析を実施し、資材の獲得、加工技術とその精粗、建築工程の多様性を明らかにしつつ、都市内外の多様な集団が協働し、都市文明が創造されていく過程を復元する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、土製の公共建築群がどのように造られたのかを明らかにし、建築技術と いう観点から古代メソアメリカ文明における都市の形成過程に関する研究に新たなデータと 解釈を提供することであった。メソアメリカ南東部に位置するサン・アンドレス遺跡の発掘調査の結果、複数の火山噴火という社会的危機を契機として、都市化が進行していく過程を明らかにした。また、建築技術や建築材などの分析の結果、都市の中心となる公共建築群は単一の技術や原材料獲得を統括する専門集団によって造られるのではなく、都市内外の多様な集団の協同労働によって造られ、都市が形成されるという過程を明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は、「完成した公共建築」に焦点をあてるのではなく、「完成に至るまでの建築技術や建築過程」に着目することで、メソアメリカ文明の核である公共建築を、より動的な視点で理解することを可能にした点で学術的意義がある。これにより、建築技術の通時的変化、建造活動に参加した多様な社会集団像を復元することに成功した。また、地域の棟梁たちの意見や技術を生かしたオープンサイエンス的手法を採用することにより、古代の建築技術の理解を深められただけではなく、地域の文化遺産の修復保存にも大きな貢献ができた点で社会的意義がある。
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