研究課題/領域番号 |
19K13401
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 滋賀県立大学 |
研究代表者 |
稲田 宇大 (金宇大) 滋賀県立大学, 人間文化学部, 准教授 (20748058)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
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キーワード | 考古学 / 古墳時代 / 対外交流 / 製作技術 / 朝鮮三国時代 / 装飾付大刀 / 対外交渉 / 金工品 / 工人移動 / 遺物論 / 製作技法 / 対外研究 |
研究開始時の研究の概要 |
6世紀後半以降、日本全国の古墳には極めて多様な「装飾付大刀」が副葬されるが、そうした大刀の中でも、把頭に環状の飾りを付した「環頭大刀」は、その意匠や製作技術が中国や朝鮮半島から導入された「外来系」大刀として注目されてきた。本研究では、資料の実見調査を可能な限り悉皆的に実施し、日本や韓国で出土する装飾付大刀の製作技術を相互に比較することで、装飾付大刀を製作する技術がどのように日本列島へと伝わり、発展を遂げていったのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、古墳時代に流通した各種刀剣類のうち、中国大陸や朝鮮半島に源流をもつとみられる、いわゆる「外来系大刀」を対象に、朝鮮半島出土例との比較分析を通じた詳細な系譜検討に取り組んだ。具体的には、柄頭に龍の文様をあしらった単龍・単鳳環頭大刀を中心に、三葉環頭大刀、三累環頭大刀など、主に古墳時代後期に製作された「外来系大刀」に対し、個々の資料の実見観察調査を悉皆的に実施することで、詳細な技術系譜を明らかにしていった。その上で、これらの大刀を所有・副葬した古墳被葬者らが当時の社会においてどのような立場にあったのかを推論した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で対象とした「外来系大刀」のような、朝鮮半島に系譜をもつとされる資料は、従来、いわゆる「外来」の資料としてそれ自体の系譜を深く追究しないまま、対外的な交渉に関わった人物であることを示すもの、あるいは渡来人ないし渡来系の人々がいた証左とされ、日本国内で完結した評価に留まっていた。本研究では、具体的に朝鮮半島のどの地域と技術的関係性を指摘できるのか、さらには、先入観的に「舶載品」とされてきた資料群は本当に列島内で製作された可能性はないのか、といった点を朝鮮半島での出土例を踏まえて改めて洗い直したことで、より客観性の高い交流史像を描出した点に大きな意義がある。
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