研究課題/領域番号 |
19K13405
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 山口大学 (2022) 東京大学 (2020-2021) 学習院大学 (2019) |
研究代表者 |
鈴木 舞 山口大学, 人文学部, 講師 (90773226)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 中国 / 殷周青銅器 / 製作技術 / 鋳造 / 鋳型 / 肉眼観察 / レプリカ法 / 三次元デジタル計測 / 三次元計測 / 金属工芸 / 金工技術 / 青銅器 / 製作技法 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、中国殷周時代における青銅器製作技法の変遷を、青銅器・鋳型双方の微細観察を通じて解明すること、またそれにより、殷周社会の展開を鋳造技術史的観点から考察することを目的とする。 技術の復元に際しては、殷周青銅器を対象に、シリコン樹脂による青銅器レプリカの作成、実体顕微鏡を用いたレプリカの観察と計測、また三次元デジタル計測を用いて、ミクロ単位での製作痕跡の微細観察を行う。合わせて、殷周鋳型の微細観察も行い、その結果得られる青銅器製作、とくに鋳型製作技法に関する仮説を鋳造実験により検証する。
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研究成果の概要 |
中国殷周時代における青銅器製作では、殷後期の段階で、量産を可能にする製作技術及び製作者組織へと転換がなされた可能性が想定された。また青銅器の構成要素のうち、例えば金文では、殷後期には主に原型陰刻法及び埋け込み法が用いられたが、殷末期に新たな製作技法、また西周中後期にはさらに異なる製作技法が導入された可能性が示された。殷代から西周時代において、数段階の技術変化が確認できた。また、殷周王朝によるこうした技術が西周時代末期から春秋時代初期にかけて各国へ継承される様子の一端を、秦国を例に明らかにした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究成果の意義は、次の3点と考える。1点目に、本研究では、青銅器の観察に、レプリカ法及び三次元デジタルデータ撮影・解析を新たに導入し、その有効性を示した。これらの観察法は、今後各地域・各時代の青銅器物の観察、技術復元に応用できる。2点目に、このような新技術を用いることで、従来に比べ、客観的かつ詳細に殷周青銅器の技術変遷を提示することができた。3点目に、主に日本国内で所蔵される資料を用いて研究を行ったことにより、これらの学術資源の研究上の意義を改めて示すことができた。
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