研究課題/領域番号 |
19K13406
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
亀井 翼 明治大学, 研究・知財戦略機構(駿河台), 研究推進員 (30791719)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 縄文時代 / 土器製塩 / 製塩土器 / 下坂田貝塚 / 築地遺跡 / 資源利用史 / 先史考古学 |
研究開始時の研究の概要 |
縄文時代の終わりごろ,当時は海であった霞ヶ浦の沿岸において土器製塩が盛行するが,製塩に用いる専用の土器,製塩土器の成立に関しては不明な点が多い。そこで本研究では,発掘調査によって得られた良好な一括資料を対象として,製塩土器を含めた土器群の製作技術を観察・記載する。これによって,器種間の技術的相関を解明し,いつ,どのように製塩土器が器種として成立したのかを明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究では、製塩土器が出現する過程を明らかにするため、既発掘資料の再検討と新たに資料を得るための発掘調査の2つの研究を実施した。前者では、常総市築地遺跡第6号建物跡の出土資料を対象として、製塩土器やそれに類する無文土器を観察した。後者では、土浦市下坂田貝塚の発掘調査を行った。下坂田貝塚では、製塩土器に似た特徴をもつ無文土器をはじめ、多様な土器資料を検出した。また、灰や土器内面土壌からは、土器製塩の証拠とされる、焼けたウズマキゴカイや海藻に付着する植物プランクトンが検出された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
器種として確立した製塩土器には、多くの資料で口縁部を指で押し潰す技法(指頭押圧)が観察される。築地遺跡第6号竪穴建物出土土器は後期末葉と考えられる。鉢形で、晩期の製塩土器に比べるとやや厚手だが、口縁部指頭押圧が施され、製塩土器の前段階であることがわかる。また、下坂田貝塚で出土した、口縁部指頭押圧の施された朝顔形深鉢や浅鉢は、さらに一段階前の後期中葉に位置づけられると考えられる。これらのことは、後期中葉の無文浅鉢が次第に変化して製塩土器になるという従来の研究成果を、より詳細に裏付けたといえる。
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