研究課題/領域番号 |
19K13408
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 京都外国語大学 |
研究代表者 |
塚本 憲一郎 京都外国語大学, 京都外国語大学ラテンアメリカ研究所, 客員研究員 (20755368)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2020年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 古代マヤ文明 / 都市王朝 / 役人 / 都市周縁部 / 富の蓄積 / 政治的地位 / 富の蓄積と政治的地位 / ラカム集団 / 日常生活 / 古典期マヤ文明 / エル・パルマール遺跡 / オステオバイオグラフィー / 黒曜石 / 社会の階層化 / 非王族エリート集団 / 旗手 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、古代マヤ文明における富の蓄積と政治的地位の関係を、考古調査、碑文解読、理化学分析といった総合的なアプローチによって解明することを目的とする。とりわけ、後7~9世紀頃に台頭した、称号を持つ非王族エリート集団に焦点を当てる。碑文に依拠したこれまでの研究は、戦争、交易、儀礼といった活動内容に限定されたために、彼らの経済活動と政治的地位の関係ついて、未だ不明な点が多い。本研究は、碑文と考古資料の比較研究を可能にするメキシコのエル・パルマール遺跡を調査対象とし、マヤ文字が刻まれた階段のある北周縁部において、彼らの指導者の住居址を発掘することにより、この問題を解明する。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、古代マヤ文明における富の蓄積と政治的地位の関係を、考古調査、碑文解読、理化学分析といった総合的なアプローチによって解明することである。とりわけ、後7~9世紀にラカム(旗)の称号を持つ集団を、メキシコにあるエル・パルマール遺跡北周縁部の発掘調査により検討した。発掘によってラカム集団の日常生活が明らかとなり、碑文に書かれた高い政治的地位に比べて奢侈品などの出土が限られていたために、彼らの政治的地位と経済的地位の乖離を明らかにできた。これらの成果を、国際会議で発表し、英語、日本語、スペイン語の著名な論文雑誌に出版した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
古代マヤ文明のみならず、メソポタミア、エジプト、ギリシャなどの古代都市の成熟と、称号を持つ役人の登場は相対関係にある。すなわち、都市王朝の発展と役人の関係を明らかにすることは、人類社会の本質に迫れる。本研究は、古代マヤ文明の称号を有する集団の政治的側面のみではなく、これまでほとんど知られていなかった日常生活を発掘や化学分析による総合的な調査によって明らかにできた。 この成果から、古代マヤ社会における政治的地位と富の蓄積の関係を考察した。ラカム集団に関しては、碑文に書かれた高い政治的地位と実際の経済状況に乖離がみられるために、西洋中心的な政治と経済の相関関係では説明できない社会的構造を解明できた。
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