研究課題/領域番号 |
19K13411
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 公益財団法人泉屋博古館 |
研究代表者 |
山本 尭 公益財団法人泉屋博古館, 学芸課(本館), 学芸員 (90821108)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | 春秋戦国時代 / 青銅器 / 鋳造技法 / 金文 / 中央集権化 / 生産体制 / 鋳造技術 / 実験考古学 / 変法 / 流通 / 社会構造 / 鋳造実験 / 成分分析 |
研究開始時の研究の概要 |
春秋戦国時代は、西周時代における祭政一致の政治体制から秦漢時代以降の中央集権的政治体制への転換期であり、その社会変化の通時的解明を目的として、青銅器の生産・流通過程の変化を分析する。分析方法の一つは考古学的分析であり、中国各地で出土する鋳型に表された紋様や鋳造技術上の特徴を、青銅製品の特徴と照合し、各地の工房で生産された製品の流通状況を明らかにする。もう一つは理化学分析で、出土青銅器の微量成分計測を行い、産地の違いを異なる観点から検討する。以上2通りの分析の結果をすり合わせることで、双方の仮説の検証を行い、青銅器の生産と流通のプロセスに関する蓋然性の高いモデルを提示する。
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研究成果の概要 |
中国古代史上の一大画期である、春秋戦国時代の青銅器生産・流通の実態を明らかにするべく、まずは青銅器の紋様にあらわれた系統性に着目した型式学的分析により、青銅器の生産・流通の大きな画期が前5世紀後半~前4世紀前半にあることを明らかにした。さらに文字史料への分析も加えることで、そうした現象が当時における中央集権的国家体制の出現と密接に関連していた可能性を指摘した。 また春秋戦国時代の青銅器の鋳造技術にあらわれた特徴を明らかにするために、鋳造実験をベースとした実証的見地から検討を加えた。その結果、春秋戦国時代の青銅器を特徴づける施紋技法と、銘文の製作技法について蓋然性の高い仮説を提起することができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の成果により、従来、文献史学では様相不明とされてきた前5世紀から前4世紀にかけての時期が、春秋戦国時代の社会変化を捉えるうえできわめて重要な意義を有することが考古学的観点から明らかになった。また、これまで未解明とされてきた青銅器の施紋技法・銘文製作技法についても蓋然性の高い仮説を提示することができた。特に、後者に関しては漢字形成史を考えるうえでもきわめて重要な意義を有する発見といえる。
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