研究課題/領域番号 |
19K13413
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03050:考古学関連
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研究機関 | 奈良県立橿原考古学研究所 |
研究代表者 |
岡見 知紀 奈良県立橿原考古学研究所, その他部局等, 特別研究員 (10739147)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2020年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2019年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | 墨 / 走査型電子顕微鏡 / 板石硯 / 墨書土器 / ラマン / ミュオン / SEM / 製墨 / ラマン分光法 / 楽浪郡 / 墨書 / 硯 / 弥生時代 / 古代 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、走査型電子顕微鏡を用いて、墨書土器および硯に付着した墨の煤粒子を観察する。その大きさや形状から、製墨方法や墨品質の差異を明らかにし、各遺跡における墨使用の実態を明らかにすることを目的とする。 ①日本における墨および製墨技術の変遷 ②墨からみた地域特性 ③東アジアにおける墨および製墨技術の伝播 以上の3つのテーマを主軸にし、日本各地および韓国、中国へ対象地域を広げ体系的な研究をおこなう。多様な地域や時代の試料を観察することにより、製墨技術研究の基礎となるデータを蓄積し、そのデータから墨の利用や製墨技術の変化をとらえることができる。
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研究成果の概要 |
本研究では、遺跡から出土した墨書土器や硯などに付着した墨の粒子の径などから、製墨方法の違いや墨の品質違いを明らかにした。 墨の使用が始まったとされる紀元前後では、前漢出土の硯などから日本の古代以降の墨粒子よりもやや大きい粒子が確認できた。一方で、日本国内の弥生時代の硯とされる石製品の付着物からは、墨の粒子は確認できなかった。 日本国内出土の資料では、地域や時代、遺跡によって墨粒子の大きさが異なり、製墨方法や使用された墨の品質の差が明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまで、墨に関して科学的な分析は個別の分析ばかりで網羅的な分析はされてこなかった。本研究では、前漢代から中世までの時代の資料、中国および日本国内各地の資料の分析を実施した。この研究により、墨をとおして東アジア全体の”漢字”を中心とした文化の形成過程や広がりを明らかにするための基礎的な成果を得ることができた。
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