研究課題/領域番号 |
19K13420
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分03060:文化財科学関連
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研究機関 | 京都芸術大学 |
研究代表者 |
増渕 麻里耶 京都芸術大学, 芸術学部, 准教授 (50569209)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 原産地推定 / 古代製鉄 / 製鉄原材料 / 製鉄関連遺物 / 現産地推定 / 製作地推定 / 古代鉄製品 / アナトリア |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は「古代西アジアの社会システムの変化を製鉄技術の変遷から考察する」という考古学的テーマに基づき、鉄製品内部の非金属介在物を技術のタイムカプセルとみなし、その希土類元素組成に着目した製作地の特性化を目指している。高エネルギー放射光の透過性を活かした非破壊での製作地推定法の開発が本研究の特徴である。本研究は鍛造技術の地域性に着目するものであり、古代西アジア各地の鉄器時代の始まりが物質文化交流の変化を契機とするのか、職人集団の技術発展によるものなのかという考古学的論考への貢献のほか、サンプリングが滅多に許されない考古資料にも科学的研究の対象を拡大する可能性の創造が期待される。
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研究実績の概要 |
本研究は、「古代西アジアの社会システムの変化を製鉄技術の変遷から考察する」という考古学的テーマに基づき、鉄製品内部の非金属介在物を技術のタイムカプセルとみなし、その希土類元素組成に着目した製作地の特性化を目指している。高エネルギー放射光の透過性を活かした非破壊での製作地推定法の開発が本研究の特徴である。本研究は鍛造技術の地域性に着目するものであり、古代西アジア各地の鉄器時代の始まりが、物質文化交流の変化を契機とするのか、職人集団の技術発展によるものなのかという考古学的論考への貢献のほか、サンプリングが滅多に許されない考古資料にも科学的研究の対象を拡大する可能性の創造が期待される。
当該年度は、研究資料の提供元として予定していたイスラエル国での紛争など、国際情勢の影響により、予定していた研究資料の入手が困難であった。また、自身の健康上の理由により、事実上研究を遂行することができなかった。
国内で入手可能な資料についても、備中新見の古代たたら操業などの活動に関して、コロナ禍以降中止が続いており、研究資料の入手に関しては大きな方針変更が必要な状況である。次年度は本課題の最終年度であり、確実に研究を遂行し結果をまとめる必要がある。そのためにまず現在手元にあるサンプルや、未発表の放射光による測定データ等を整理・解析し、その補足となるような新たな分析調査をデザインし、実施していく必要があると考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響による国内での活動自粛に続き、ウクライナ及びイスラエルでの治安情勢の悪化により、予定していた海外の考古資料を用いた研究が難しくなった。特に後者に関しては、すでに手元にあるトルコ出土の資料との比較を行うことが重要な意味を持っていたため、研究の遂行に大きな影響を与えた。また、国内での資料の提供元であった備中新見の古代たたらの操業もコロナ以降中止されており、研究資料の入手困難な状況が変わらず続いている。
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今後の研究の推進方策 |
新規の研究資料の入手のための交渉を続けながらも、まずは今現在手元にあるトルコの考古資料を用いてこれまで行ってきた未公開の分析結果の整理を行う。分析結果の解釈の際に必要であると考えられる場合、特に元素マッピングなど、所属機関に装備のない分析機器による測定が必要なものに関しては、業者への委託分析などを活用する。これらをもとに、産地同定に関する近年発表された論文の調査を行いながら、本研究の当初の目的に近い形で本年度中に結果をまとめる。
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