研究課題/領域番号 |
19K13432
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 北見工業大学 |
研究代表者 |
渡邊 達也 北見工業大学, 工学部, 助教 (80636168)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | 地すべり / GNSS / 地形観測 / 海岸地すべり / 末端侵食 / 滑動 / 海岸侵食 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では,最近登場した低価格・高精度の小型衛星測位モジュールを利用した長期野外観測システムを構築し,このシステムを観測対象範囲内に多数配置することで,低コストでの地すべり変動の同時多点観測を実現させる.活動・停止を繰り返す再活動型地すべりは,すべり面形状の不均質性によって,多様な運動の発生過程があるものと想定されている.しかし,従来の観測手法では技術面,コスト面の問題からそれを実証できる観測成果は得られていない.本研究によって,高い時間解像度の衛星測位データを観測範囲内の多地点で捉えることができれば,地すべりの発生から全体移動に至る詳細なメカニズムが明らかになると期待される.
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研究成果の概要 |
本研究では,低価格・高精度の小型GNSS測位モジュールを使用した長期野外観測システムを構築し,このシステムを多数設置することで,低コストでの地すべり変動の同時多点高精度観測を実現させた.北海道浜中町の海岸地すべりを対象に約2年間の連続観測を実施し,その間に計5回の大滑動イベントを観測することができた.この地すべりでは,大滑動イベント発生前から微小変動が生じており,同時多点高精度観測では,従来手法では捉えられないような,地すべりが大滑動に至るまでの複雑な挙動を捉えることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では,小型GNSSモジュールを用いた低コストの長期野外観測システムにより,地すべりの精密動態観測に成功した.同様の観測手法が他の地すべり地でも応用されれば,多くの地すべりにおいてこれまで捕捉できなかった多用な挙動が明らかになると予想される.これは効率的な地すべりの抑止策や早期警戒監視指標の開発にもつながる.また,地すべり観測はもとより,中小規模の地形変化の観測が必要な他の分野においても,その応用が期待できる.
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