研究課題/領域番号 |
19K13438
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04010:地理学関連
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研究機関 | 神奈川県立生命の星・地球博物館 |
研究代表者 |
西澤 文勝 神奈川県立生命の星・地球博物館, 企画情報部, 学芸員 (70813905)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 火砕流堆積物 / 南九州 / 前-中期更新世 / 火山ガラス / 化学組成 / 火山灰編年学 |
研究開始時の研究の概要 |
南九州カルデラ地域に分布する中小規模の火砕流堆積物は、層序・年代の確立された遠隔地の地層中での保存が見込めず、露出の制限や岩相のみに基づく対比により、地域地質の層序に編成されていないものがある。火山ガラスの化学組成は同一噴火の噴出物ごとに固有の性質を示す。本研究は、これに基づいて規模の不明な火砕流堆積物を識別し、南九州カルデラ地域に分布する前-中期更新世の火砕流堆積物の層位・記載岩石学的特性を網羅的に把握するとともに、地域間対比の再編を行い、給源近傍の層序の構築および詳細な爆発的火山噴火史の解明を目指す。
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研究実績の概要 |
鹿児島湾沿岸地域に分布する前-中期更新世火砕流堆積物の層序・分布の解明を目的とし、宮崎県東部、霧島市、姶良市、薩摩川内市、南さつま市、姶良市において採取した火砕流堆積物・降下火砕堆積物について、火山ガラスの主成分化学組成の分析前処理を実施した。模試的分布地における火砕流堆積物の試料についても、これまでに処理が未完了だったものを含め、同様の分析前処理を実施し、測定に移行する準備を進めた。主成分化学組成の取得が済んだ試料については、既知データとの比較を行った。また、火山ガラスの主成分化学組成の比較において、異なる火山地域の噴火堆積物の例として、大山火山および三瓶火山の試料を取得した。火砕流堆積物の分布に関しては、鹿児島県内に新たな火砕流堆積物の露頭を複数確認した。それらの火砕流堆積物の非溶結部を認定し、記載岩石学的特性を把握することで、各堆積物のより詳細な分布を明らかにする。 本年度、新たに予定していた火山ガラスの主成分化学組成の分析については、予定する期間に、データの取得を完了することができなかった。 今後は、南九州の鹿児島湾沿岸地域および屋久島小瀬田における野外調査を中心に行い、テフラ層の記載を試みる。得られた試料は、顕微鏡によるテフラの構成粒子の観察および火山ガラスの主成分化学分析を実施し、記載岩石学的特性をまとめる。テフラ層の対比については、特に宮崎県東部の四家層中に確認している複数の降下火砕堆積物を中心に検討する。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
新型コロナウイルス感染症の蔓延とその防止による社会的制約が要因で、調査地域である九州地方の各地域および鹿児島湾沿岸地域における野外調査の頻度を増加させることができなかった。記載岩石学的特性のデータ取得についても、予定期間にデータの取得を実施できなかった。そのため、現在の進捗状況を(4)とした。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに採取できた試料の分析を重点的に行い、データの取得を急ぐ。また、野外調査については、鹿児島湾沿岸地域と屋久島に範囲を絞って実施することで成果に結びつけることを検討する。
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