研究課題/領域番号 |
19K13447
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 宮城教育大学 (2023) 立正大学 (2019-2022) |
研究代表者 |
横山 貴史 宮城教育大学, 教育学部, 准教授 (70710151)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 260千円 (直接経費: 200千円、間接経費: 60千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 沿岸漁業 / 先住民 / 政策 / 養殖業 / チリ / マプチェ / チャンゴ / コンフリクト / ECMPO / 漁業文化 / 漁業 / 漁場利用 / 小規模漁業 / 統計資料 / TURF / 資源管理 / Area de Manejo / チリ中部 |
研究開始時の研究の概要 |
チリ共和国最大の先住民であるマプチェの生業活動における漁業の位置づけは詳らかではない。しかし沿岸部のマプチェにとって、その生業に占める漁業の大きさは看過できない。一方、近年ではマプチェの権利が保障される海域が認められるなど、保護的政策が登場してきた。しかし、その実態を管見すると、非先住民資本との間に漁場利用における競合がみとめられるなど、政策と漁業活動との間の齟齬もみられる。そこで、本研究課題では、チリ南部におけるマプチェ・コミュニティの漁場利用と生業活動の実態を明らかにすることを目的とする。
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研究成果の概要 |
2019年と2023年に現地調査を行った。現地調査では、先住民、非先住民双方の沿岸漁業者、NGOや大学の研究者といった様々なステークホルダーにインタビューを行うことができた。これらの結果から、2008年から施行された先住民の排他的海面利用区域を意味するECMPOは、先住民の慣習的な海面利用を制度的に保証するとともに、先住民の団体行動を強化するなどの効果があったことがわかった。一方で、先住民と一口に言っても地理的に多様であるとともに、コミュニティ内の先住民同士も個人的属性や政治的位置などは多様であることがうかがえた。今後は、そうした地理的・社会的属性に注目して研究を行っていくことが望まれる。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の意義は、南米チリという国における沿岸漁業のガバナンスをめぐる実態について事例蓄積ができたことである。チリと日本は経済的には養殖サーモンやウニ、ワインや果実の輸入でつながりがあるものの、そうした経済活動の影におかれてしまう先住民の存在については日本ではあまり知られていないのが現状である。特に近年、チリではサーモン養殖がより未開発の南部に立地移転している現状があり、それに伴って新たな先住民と産業的漁業とのコンフリクトも発生している。また、チリ国内でも先住民に関する知見は十分に共有されているとは言えない実態もあり、チリの先住民問題の一端に光を照射できたことは国際的にも意義のあることである。
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