研究課題/領域番号 |
19K13449
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04020:人文地理学関連
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研究機関 | 佛教大学 |
研究代表者 |
網島 聖 佛教大学, 歴史学部, 准教授 (70760130)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2020年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 産業化 / 地域形成 / 商工業者ネットワーク / 同業組合 / 制度 / 植民地 / 医薬品 / 産業地域 / 売薬 / 外地 / 満州 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究計画は、近代日本のいわゆる外地における商工業者ネットワークが産業化による経済空間の再編に対して果たした役割を分析する。具体的には、明治30年代~昭和10年代の売薬業の発展と、業者達の関東州と朝鮮半島への進出をとりあげ、 内地における地場産業としての売薬業の発展と外地への進出状況、そして内地の医薬品産業集積地が外地を含めた医薬品業者ネットワーク上で果たした役割を検証する。また、得られた知見を他国の事例と比較し、後発産業化国のモデルとして位置付ける。
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研究成果の概要 |
近代日本のいわゆる外地において形成された商工業者のネットワークの具体的解明は、日本の産業化とそれに伴う経済空間の再編を考える上で重要な検討課題といえる。本研究は、明治30年代から昭和10年代において、日本の売薬業が朝鮮半島と中国東北部(満州)への進出をどのように実行したのか分析し、そこで作り上げられた商工業者の関係性に注目して商工業者ネットワークの実態を解明した。その結果、流通業者を中心とする経済主体が分化する各地域をナショナルやグローバルな経済空間の中で具体的に結びつけていく過程を明らかにすることができた。また、業者による領域的な制度改変の志向の検討がさらに必要となることが示された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究は後発産業化国であった日本に特有の産業化の経緯を、植民地を含む領域の再編過程に注目して解明しようとするものである。その学術的意義は、産業化という歴史上の普遍的事象を経済主体と地域に注目して具体的に解明する点にある。それは日本の歴史的経験をイギリスの歴史地理学、経済史を中心に議論が進められてきた国際的な先行研究の成果に応答し、その知見を相対化することにもなる。 以上の後発産業化国の開発に関わる本研究の視点は、現代の発展途上国における開発の問題やその実態に関する議論に地理学の立場から再検討をうながすものとなる。したがって、現在の社会、経済に関わる諸問題の解決に資するという社会的意義を有する。
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