研究課題/領域番号 |
19K13454
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 国立民族学博物館 |
研究代表者 |
奈良 雅史 国立民族学博物館, 超域フィールド科学研究部, 准教授 (10737000)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2019年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 宗教 / 移動 / ムスリム / 回族 / 中国 / モビリティ / 台湾 / イスラーム / 宗教性 / エスニシティ |
研究開始時の研究の概要 |
本研究の目的は、中国内陸部から中国沿岸部にアラビア語通訳として出稼ぎに行く回族と呼ばれるムスリム・マイノリティの移動に焦点を当て、中国政府による「一帯一路」構想の推進に伴う中国とイスラーム諸国との間での経済交流の促進が人々の移動の活発化をもたらし、イスラーム復興を促進してきたプロセスを参与観察と聞き取り調査を中心とする現地調査から明らかにするとともに、宗教とモビリティをめぐる理論的モデルを提示することである。
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研究成果の概要 |
本研究では、中国浙江省義烏市における現地調査に基づき、中国内陸部から中国沿岸部にアラビア語通訳として出稼ぎに行く回族と呼ばれるムスリム・マイノリティの移動に焦点を当て、中国とイスラーム諸国との間での経済交流の促進が人々の移動の活発化をもたらし、イスラーム復興に影響を与えてきたプロセスを考察した。新型コロナウイルス感染症の感染拡大以降は中国大陸での調査が困難になったため、インドネシア人を中心とする外国人ムスリムが増加する台湾のムスリム・コミュニティを対象に、台北市と桃園市において現地調査を実施し、外国人ムスリムの増加が中華系ムスリムの宗教実践にもたらす影響について考察を進めた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
学術的意義は、東アジアにおけるトランスナショナルなムスリム・コミュニティの形成過程とそのイスラーム復興への影響を明らかにすることで、イスラーム世界を中心にイスラーム復興を捉えてきた既往研究を相対化するとともに、宗教研究における移動論的転回を検討し、従来の議論の枠組みに対して新たな視座を提示した点にある。 社会的意義は、東アジアにおいて増加傾向にあるムスリムのコミュニティの実態を明らかにすることで、ムスリムおよび非ムスリムとのあいだでの共在のあり方についての視座を提示した点にある。
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