研究課題/領域番号 |
19K13457
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
|
研究機関 | 東京大学 (2022) 京都大学 (2019-2021) |
研究代表者 |
楠 和樹 東京大学, 大学院総合文化研究科, 特任研究員 (90761213)
|
研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | アフリカ国家 / 動物疾病 / 統治性 |
研究開始時の研究の概要 |
近年アフリカの国々では、人獣共通感染症の対策が策定、実施されている。この問題については、多様な分野の専門家が分野の境界線を越えて連携する動きが広がっている。そうしたなかで、感染症対策において人間と非人間の動物の生存と健康や、それらに関する知識がどのように「もつれあっている」のかへの関心が、人類学者のあいだで高まっている。本研究では、ケニアのリフトバレー熱対策を事例としながら、人獣共通感染症対策が策定され、実施される過程で人間と非人間がどのように「もつれあっている」のかを明らかにすることを試みる。それによってこの地域の国家を非人間を含む生き物の集合的な統治という視点から捉えなおすことを試みる。
|
研究実績の概要 |
近年アフリカの国々では、人獣共通感染症への対策が策定、実施されている。この問題については、医学、獣医学、生態学など多様な分野の専門家が分野の境界線を越えて連携する動きが広がっている。そうしたなかで、これらの感染症の対策において人間と非人間の動物の生存と健康や、それらに関する知識がどのように「もつれあっている(entangled)」のかへの関心が、人類学者のあいだで高まっている。本研究の目的は、ケニアのリフトバレー熱対策を事例としながら、人獣共通感染症対策が策定され、実施される過程で人間と非人間がどのように「もつれあっている」のかを明らかにすることである。 令和4年度はケニアに渡航し、カジァド・カウンティでの現地調査をおこなうことを予定していたが、新型コロナウイルスの流行が続いていたためこれを断念し、令和元年~2年度にかけて収集した歴史資料の分析を継続した。また、これとあわせて、現地の調査補助会社にデータの収集を依頼した。この調査では、これまでフィールドとしてきたカジァド・カウンティにおいて牧畜民のマサイを対象として、リフトバレー熱に関する語りを収集した。リフトバレー熱自体がこの地域では比較的最近になって現れた感染症であることから、人々の過去の経験や対策に関する語りは、その他の家畜感染症と比べて厚みのあるものではなかった。 以上の研究の成果の一部は、9月に開催された研究会で発表をおこなった。また、令和4年度中に刊行することはできなかったものの、論文2本(採録決定済)とワーキングペーパー1本を執筆した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
予定していたケニアへの渡航を実施できず、これまでに収集した資料分析と、現地の調査補助会社を通じたデータの収集をおこなうという対応をとった。研究計画の中核をなす現地調査がおこなえないことで進捗にやや遅れが出ている状況である。
|
今後の研究の推進方策 |
令和5年度はケニアで現地調査をおこなう予定である。ただし、先行きは不透明な状況であり、現地の調査補助会社に部分的なデータ収集を依頼するなど、状況の変化に柔軟に対応しながら研究を進めていく考えである。
|