研究課題/領域番号 |
19K13468
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分04030:文化人類学および民俗学関連
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研究機関 | 早稲田大学 |
研究代表者 |
里見 龍樹 早稲田大学, 人間科学学術院, 教授 (30802459)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2020年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2019年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | メラネシア / サンゴ礁 / 人新世 / 自然 / 気候変動 / ソロモン諸島マライタ島 / 環境変動 / 民族誌 |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、メラネシアのサンゴ礁に居住する「海の民」と呼ばれる人々における環境変動の体験・認識について民族誌的に明らかにすることを通じて、現代のグローバルな環境変動について人類学的に考察するための方法論を提示しようとするものである。メラネシアのサンゴ礁は近年、生物多様性がきわめて高い海域として国際的な注目を集めているが、他方で、海水温の上昇によるサンゴの大量死滅が生じるなど、環境変動による生態系破壊が懸念されている。本研究は、ローカル/ナショナル/グローバルな諸動向が「社会」と「自然」の両面で交差し合うこのような対象に注目することで、新たな環境人類学を開拓することを目指す。
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研究成果の概要 |
本研究課題は、南西太平洋のサンゴ礁に居住する「海の民」と呼ばれる人々における環境変動の体験・認識について民族誌的に明らかにすることを通じて、現代のグローバルな環境変動について人類学的に考察するための方法論を提示しようとするものである。新型コロナウイルス感染症流行の影響で、当初予定していた現地調査は行うことができなかった。その代わり、これまでの現地調査のデータを再分析し、それに基づいて著書『不穏な熱帯――人間〈以前〉と〈以後〉の人類学』(河出書房新社、2022年)を出版した。加えて、サンゴ礁をめぐる科学的知識の動態を把握するために、国内におけるサンゴ礁科学の研究拠点でフィールドワークを行った。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
サンゴ礁は、地球温暖化や海洋酸性化によって多大な影響を受ける「脆弱な生態系」として知られ、現代の環境変動を象徴する生態系と言える。他方で、サンゴと褐虫藻や細菌の共生メカニズムをはじめ、サンゴの生態には未解明な点が多く、さまざまな科学的知見が現在進行形で生み出されている。その意味で、世界各地におけるサンゴ礁と現地の人々の関わりや、その関わりに科学的知識がどのような影響を与えているかを経験的に解明することは、気候変動の時代における人間-環境関係を理解する上で重要な意義をもつ。本研究は、そのような理解に貢献するものである。
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