研究課題/領域番号 |
19K13482
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分05010:基礎法学関連
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研究機関 | 広島修道大学 (2020-2021) 京都大学 (2019) |
研究代表者 |
松本 和洋 広島修道大学, 法学部, 助教 (00789167)
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研究期間 (年度) |
2019-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2020年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2019年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | コモン・ロー / 法文献 / 法学 / ローマ法 / イングランド法学 / 法格言 / 歴史法学 / 19世紀 / イングランド法 / 法制史 / ブラクトン |
研究開始時の研究の概要 |
判例を中心とした法体系を展開してきたイングランド法の歴史において、中世に執筆された『ブラクトン』と通称される法文献は、その執筆から数百年を経た近代のイングランドの法曹たちにも利用されてきた。こうした過去からの学識の伝達がいかにしてその国の法学の展開に影響してきたのかという観点から、『ブラクトン』が近代のイングランド法学にどのように影響し、またどのような形で利用されてきたかについて検討する。
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研究成果の概要 |
本研究はイギリス、特にイングランドにおける法学を対象として、中世の法文献がいかに近代以降に影響を及ぼし得たのかを検討することを焦点とした。その中で本研究では『ブラクトン』と通称される法文献を主たる研究対象に置いた。本書の検討から、内縁女性や非嫡出子が固有の権利を持つこと、その権利が侵害された際には救済対象となることを『ブラクトン』が認めている点が明らかになった。理論的要素においてローマ法が下敷きとなる一方で、実践的要素である訴訟手続上の扱いにおいてイングランド法が優先する。こうした交錯が法文献という一体化で登場したは、法の継受または法の移植とその後の経過における史料的価値を示すものと言える。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の学術的意義は、法文献が法学の展開において古今に渡り影響を及ぼすことを示唆する点に求められる。その意味で『ブラクトン』は、その執筆時期における法学の取り組みを示すとともに、その著述を検討することは、後代においてどのような影響や位置付けを持ちうるのかを分析する視座を提供するものと考える。本研究の社会的意義も、ある時点では比較として存在していた横軸関係が、やがて史的展開という縦軸関係へと変化していくことに着目した点にある。それは今日の通用的理解が、法学をはじめとする社会システムに内在する、こうした横軸と縦軸の展開によって支えられる点を示し得ることに求められると考える。
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